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第八十二話 ★瀬戸際に見えたもの



――静かだ。

梯子段の下でいくら待ち構えていても、敵も味方も降りてこねぇ。

かと言って上で斬り合いが始まった気配も感じねぇ。

いったい、どうしたってぇんだ?


「…新ぱっつぁん」

「ああ、わかってる。だがそのうち…」


それは新ぱっつぁんが小さく口を開いたのと同時だった。

敵の浪士の影すらなかった裏口から「ぎゃああぁ!!」という叫び声が聞こえたのは。

次いで聞こえてきた「奥沢!!」との声。奥沢っていやぁ、うちの平隊士じゃねぇか!!


「チッ!上の窓から飛び降りてきやがったか!!」

「ちょっと俺、様子見てくるわ!!」


梯子段には人の気配がないのを確認し、裏口が気になった俺は「頼む!」という新ぱっつぁんの声を背にそちらへと走り出した。






「と、藤堂さん!奥沢が!!」


裏口に出てみると、そこには数人の浪士たちに囲まれ、やっとのこと刃を交えている安藤と新田の姿。そしてその傍らには頭から肩にかけてバッサリと一文字に斬られ、血を吹き流している奥沢が倒れていた。奥沢がすでに魂なき抜け殻になっているのは誰の目に見ても明らかだ…


「奥沢ッ!!」

「ヤァァァ!!!」


それでも、急いで奥沢に駆け寄ろうとすれば、横から一人の浪士が俺に斬りかかってきた。

それを素早く弾き返し、「ご免!」と大上段から斬りおろす。その太刀は寸分の狂いもなく浪士の首から腹を駆け抜けた。辺りに響き渡る浪士の断末魔の叫び。そして暗闇の中でもはっきりとわかった。真っ赤な血飛沫をあげながら俺を怨めしそうな眼で見、その場に膝から崩れ落ちる浪士の姿が。

その浪士の眼と、刀から伝わる肉塊を斬った手応えに胸中を何かが駆け抜ける。その正体がわからない"何か"に、俺は血糊のついた刀をピッと振り下ろすとギリリと奥歯を噛み締めた。


……まただ。またこの気持ち。


いつからだったか。人を斬るたび、この"何か"が胸中を駆け抜けるようになったのは。

その"何か"は俺に刀を振るうことを迷わせ、少しずつ、少しずつ大きくなっていってる。


…本当はわかってるんだ。人を斬ったって何も変わらないってことは。

でも俺は…未来の平和のために剣を振るうって決めたはずだ。新選組として生きていこうと決めたはずだ。それを…何を迷うことがあるってぇんだ…


「平助ぇっ!!」

「ッ…!!!」


突然の聞きなれた怒号にハッと振り返れば、俺は視界に鋭く光るそれを捉えた。


斬られる…!!

そう思ったのも束の間。それを遮るように稲妻のような閃光が駆け抜けた。ヒュッという鋭い音と同時にババババッと血飛沫が舞う。浪士から流れるその血潮は俺の足元を真っ赤に染めた。


「何を突っ立ってる!斬られたいのか!!!」

「ッ、すまねぇ近藤さん!!」


「安藤!新田!お前らは一度引け!!」という近藤さんの怒号にその視線を追えば、先程敵と刃を交えていた平隊士達が荒い息遣いで片膝をついていた。よく見りゃ二人とも相当な深手を負っているようだ。

クソッ…!俺は何を迷ってるんだ!!今はこれが正しいかなんて考えてる場合じゃねぇ!!

ここは戦場。今俺が出来ることは、刀を振るい、仲間の援護をすることじゃねぇか!!


「ここは俺が引き受けた!お前は中庭を頼むッ!!」

「わかった!!」


近藤さんの言葉に俺は迷いを振り切るように大きく頷くと、今一度刀を握り直し中庭へとその足を向けた。







駆け付けた中庭に人の気配は感じられなかった。


…もしかしたら敵の浪士は皆、梯子段を回避し、裏庭へ飛び降りちまったんじゃねぇか?

もしそうだとしたらこのまま中庭を張るよりも、裏庭で近藤さんの加勢をしたほうがいいんじゃねぇかな。

どうするか。もう一度裏庭に戻るか。それとも旅籠の中で新ぱっつぁんの加勢をするか…


そんなことを考えながらも今一度中庭をぐるりと見渡す。時折わずかな風がそよぐだけで、やはり人の気配は感じられない。


……仕方ねぇ。やっぱ中に戻るか。

それにしても今夜の蒸し暑さは尋常じゃねぇ。さっきのほんの少しの斬り合いだけで、流れる汗はまるで滝のようだ。

一度鉢金を外して汗を拭うか…


刀を片手に、きつく締めていた鉢金をほどく。ゴトッとそれを地に置き額の汗を拭えば、鉢金の鉄板に何かがキラリと反射したように見えた。


……俺はまったくもって油断してたのかもしれない。



「覚悟ッ…!!!」


中庭の暗闇の中に浪士が潜んでいたことにまったく気が付かなかったなんて。

畜生、これじゃ俺、新選組どころか武士としても失格じゃねぇかよ!


「クッ…!!!」


キンッと甲高い金属音が暗闇の中を駆け抜ける。間一髪。胴にはらわれたそれを俺は何とか防ぐことができた。しかし相手の浪士はそれをも計算に入れていたのか、瞬時に体勢を整え、再び俺の間合いに入り込んできた。

慌てて一歩、二歩ほど引くものの、相手の矛先は俺の羽織をかすめ、パッと音でも聞こえそうなほど鮮やかに俺の羽織の袂は斬り裂かれた。


まずい。この浪士、動きが鋭い上に、剣の力も錚錚のものとみた。こりゃ俺も本気を出して立ち合わなきゃならねぇ。いや、本気を出したとしても、もしかしたら良くて刺し違えか…


「エエエイッ!!」


ごちゃごちゃ考えてる暇なんかねぇ。浪士の怒鳴り声に必死に自分を奮い立たせ、振り下ろされた刀に己の刃を交合わせる。

鍔迫り合いになるも、相手は俺よりもでかい。それに…クソッ!力も強いときたもんだ!どう考えてもこれじゃ俺の方が不利だ。なんとかこの刀を弾き返さねぇと…!!


「…そんな迷いのある剣で僕を切れると思うなよ!」

「ッ!」

「僕はこんなところで朽ち果てるわけにはいかぬのだ!!」


浪士は声高にそう叫ぶと俺を力で弾き返す。その反動で足元がもつれた俺に、浪士は素早く正眼に構え「覚悟!!」と大上段から刀を振り下ろした。

必死で後退するもあと一歩遅かった。次の瞬間、俺は額に猛烈な熱さを感じたのだ。

次いで真っ赤な"何か"に覆われた視界。

額を割られたのだと気付くのに時間はかからなかった。


「クソッ!!!」


額から流れる血が目に入り、俺の視界は容易に奪われた。このままじゃ浪士に斬られちまう…!!

俺の志はここで途絶えちまうのかよ!!ふざけんな!まだ死にたくねえっ…!!


斬られてたまるかと必死に刀を振るうが、そんな俺の姿は相手から見たらかなり滑稽だろう。

けど、このまま黙って斬られるわけにはいかねぇんだ!!俺にだって志が…

それにあいつを…あいつを影から守ってやりてぇんだッ…!!



「畜生ッ…!!死んでたまるかァッ!!!」


悪足掻きをする中、浪士が振り下ろす刀の気配を間近に感じたその時だった。



「うぉりゃああああ!!!!」


この声は…


「新ぱっつぁん!?」という俺の声と同時に、目の前にあった鋭い気配が消えた。代わりに「ぐあっ!」という浪士のものであろう叫び声と、人が倒れ込む衝撃音が耳に届く。もしかしなくても新ぱっつぁんが浪士に体当たりして助けてくれたんだろう…!


「平助ッ!大丈夫か!!?」

「ひ、額を割られちまって!!血が、目に…!」

「落ち着け!!この馬鹿!普段から稽古サボってっからだ!!」

「ば、馬鹿って何だよ!!」


稽古だって新ぱっつぁんよりはサボってねぇわ!!

思わず心の中でそう突っ込んだが、俺は嬉しかった。またこうして生きて新ぱっつぁんと軽口叩けることが。

…そうだ。死んじまったらこんなことできねぇ。仲間と馬鹿騒ぎすることもできねぇ。

由香を見守ってやることもできねぇんだ!!


「新ぱっつぁん…!ありがとな!」

「礼はこいつを片付けてからだ!!」


しみる目を懸命に袖口で拭い、うっすらとした視界の中で再び浪士の姿を視界に捉えた。静かに正眼に構えたその姿からは尋常じゃねぇ強い気が発せられている。

…やっぱこいつ、只者じゃねぇ。


「お相手願おうか」

「…お前、どこの悪モンだ?長州か?肥後か?それとも土佐か?」

「…僕は長州藩士、吉田稔麿。先生の無念、ここで晴らさせてもらう」

「こっちこそ仲間を傷付けてくれた代償は払ってもらうぜ!」


新ぱっつぁんの気が荒々しい蛇のようになるのを肌で感じる。同じく正眼に構え直した新ぱっつぁんの刀がカチャリと音をたてた。


その場を静寂と暗闇が支配する。生暖かい風がピタリと止んだ。事が動く。

そう思った瞬間、刃が交わる金属音が痛いくらい耳に響いた。鍔迫り合いになり、勝負はまだだと思ったのも束の間。俺は霞目ながらも気付いちまった。新ぱっつぁんの左の親指の付け根がざっくりとやられているのを。


「クッ…!!」


血で滑る感覚に新ぱっつぁんも気付いたんだろう。身体が強ばり、苦しそうな声を漏らす。助太刀しねぇと…!

フラフラとした足取りで俺も刀を構え直すが、そこはさすがの新ぱっつぁんだ。負傷を負いながらも鍔迫り合いから相手の重心をはね除け、再び相手と向き合うように間合いをきる。そこですかさず踏み込み、得意とする突きを繰り出した。だが相手も相当の手練れ。それは紙一重でかわされてしまう。やっぱ一筋縄じゃいかねぇか…






幾度、そんな攻防が繰り返されたか。

ちっとばかし血を流しすぎたのだろうか。すでに額の熱さも感じず、ズキズキという痛みから俺は意識が朦朧とし始めていた。


俺…死んじまうのかな……

目の前で新ぱっつぁんと浪士が刀を交えてるのもなんだか夢のような気がしてきたわ…

つか、全部…夢なんじゃねーのかな……


ついに立っていることができず、俺はその場に膝から崩れ落ちた。

懸命に瞼を開ければ、新ぱっつぁんが浪士に突きを放つのが見える。それを胸に受け、グラリと倒れ込む浪士…


ああ…やったな……


薄れ行く意識の中、その光景を視界の角に捉え、俺はそのまま意識を失ったのだった。




***




ヤバイ…私ってば某サッカー選手並に持ってるかもしれない……


三条小橋っていう名前は聞いたことがあった。

あれは高杉さんと長州藩邸の近くを散歩していた時のこと。

「三条小橋で喧嘩や!」との町の人の声に、光の速さで野次馬参列した私と高杉さん。それがまた夫婦喧嘩の取っ組み合いで、旦那さんの方がマシュマロ女子の奥さんに川に突き落とされたという結果だったからよく覚えていた。


「三条小橋」

確か、長州藩邸の近くだったはず…!!

思い出しながら真っ暗闇の中、ちょっとビビりながらも全速力で駆け抜けてきた私の視界の先には、この時代の夜の町には相応しくないほどの人混み。

絶っ対…あれ、池田屋…!!

息切れしながらもたどり着いた人混みの先を見れば、軒先に揺れる提灯に池田屋の文字。

すごい、私ってば、ほんと、持ってる…!!



「壬生狼と長州の斬り合いやて!」

「長州に斬り伏せられたらええのんに!」


なんか軽く悪口みてーなのが人混みの中から聞こえてきたけど、今はそんなの気にしてる場合じゃない。

息を整え、その人混みを掻き分ければ、表玄関の中に浅葱色の羽織を確認することができた。

あれは誰だ?谷さん、かな?


「谷さん!」


そう叫んで一歩前に出た時だった。

表玄関から肩を組んだ二人が転がるように出てくる。浅葱色の羽織は血だらけ。一人は意識がないのか、ぐったりとしている。

その顔を確認して「ひっ、」と小さく息を飲んだ。だって、だってあれは…


「平助!!!!」


迷わず駆け出せば、その震える叫び声が耳に届いたのか、こちらを見た新八さんは驚いたように目を丸くした。


「由香ちゃん!!?なんでここに…!!」

「理由はあとで!!それ、それよりへ、平助は…」

「額割られてるが傷は浅い!ちっとばかし血を流しすぎたみてぇだ!!」

「すぐに手当てを!!」


誰かが怪我したをした時のためにと持ってきた救急道具。まさか本当に使うことになるとは思わなかったけどやっぱ持ってきてよかった…!!


邪魔にならないところに平助を横たわらせ、急いで風呂敷を広げる。

そこでハッと気付いた。


「新八さん!新八さんも指が…!!」

「ああ、ちっとヘマしちまった」

「ちょっと待ってください!!」


今にも池田屋の中に戻ろうとする新八さんを捕まえ、血だらけのその指に焼酎をかける。肉が削がれたその傷に思わずクラリときたけれど、そんなか弱いこと言ってられない。ざっとだけど包帯がわりの布切れを巻けば、新八さんは笑顔を見せた。


「ありがとな!俺は戻るからよ、平助を頼む!」

「わかりました!!気を付けて!!」


その背中を見送り、ふぅと小さく息を吐く。さぁ、次は平助だ。傷は浅いっていうからきっと貧血でも起こしたんだろう。

大丈夫、大丈夫。絶対大丈夫。

自分に言い聞かせるようにブツブツと言いながら、焼酎を染み込ませた布切れで血だらけの額を優しく拭う。思ったよりも傷口は大きかったが、新八さんの言う通り浅かったのだろう。すでに血は止まっているようだ。


よかった…


小さく胸を撫で下ろし、もう一度傷口を消毒する。安堵の涙が込み上げてきたが、グッと堪えた。泣いてる場合じゃない。この現実と私は向き合って、共に戦って生きていくって決めたんだから。

タオルを小さく畳み、傷口を塞ぐ。タオルを見られると色々厄介だからその上から包帯でぐるぐる巻いた。

たぶんこれで大丈夫。動かなければ傷口の状態からして開くこともないだろう。

ほんとよかった…これくらいで済んで…



「平助、平助!!わかる!?」


気を取り直し、肩の辺りを何度か叩くと平助はやっとその目を開けた。ああ、大丈夫だ。


「ッ…由、香……!?」

「うん」

「どう、して…」

「私も皆と一緒に戦いたくて。私も新選組の一人だから」

「…そ、か」


さすがに身体は起こせる状態じゃなかったんだろう。平助は驚いた表情を見せたが、すぐに小さく口角をあげ私の手をギュッと握ってくれた。もしかしたら堪えていた涙を見られたのかもしれない。

こんなときまでもう…平助ってば優しいんだから…







「他の皆は?」

「土方さんたちは…まだ来ねぇ。裏口の平隊士が…、やられた」


その言葉を聞いて「じゃあ裏口に…!」と腰を上げた私を平助は「もう手遅れだったんだ…!!」と怒鳴って止めた。


「それに裏口はたぶん…、斬り合いが続いてる」


斬り合い、が。

その言葉に平助の傷や新八さんの傷が目に浮かび、ぞくりとした悪寒が背中を走り抜けた。まさか、ぬくぬくと現代で生きていた私が斬り合いをこんな身近なものに感じる日が来るなんて。ほんと、想像もしてなかった。


ふと池田屋の方を見れば、その中からは様々な"声"が聞こえてくる。なかには耳を塞ぎたくなるような"声"も。

それを聞いてか、人混みの中からは「壬生狼は鬼や!!」と、新選組を非難するようなヤジが絶えず上がっていた。

それはまさに以前の私の胸中と言ったところか。でも今は違う。皆の戦う理由を私は知っているから。



「そういや…総司見たか?」

「え?ううん。私、まだ来たばっかだけど」

「あいつ…、上からまだ戻ってきてねぇかもしれねぇ。もしかしたら…」


平助の言葉に今度こそクラリとした。

総司くんが戻ってきてないかもしれない?もしかしたら?…もしかしたらって何?


私の顔色が変わったのを平助は見逃さなかったんだと思う。ハッとした様子で「いや、でも総司に限ってな!もしかしたらもう下で刀振り回してっかもしれねーし!」と言葉を続けた。


でも私は"もしかしたら"って言葉が頭から離れない。

もし総司くんが斬られて怪我をしていたら…?その場に倒れていたら…?

いや、していないかもしれない。平助の言う通り、下で刀を振り回してるのかもしれない。

でも…もしかしたら…


斬り合いの中をくぐり抜けるのは怖い。怖いし皆の邪魔になってしまうかもしれない。

でも…

でも傷を負った仲間をそのままにしておくわけにはいかない。もしかしたら今手当てすれば、その仲間は助かるかもしれないもの。



「…おい。馬鹿なこと考えてねーよな?」


握られた手に力が入る。きっと私の手の震えが伝わったのかもしれない。やだ、平助ってば。お前は浮気を疑う嫁さんかっつーの。

……勘が鋭い。



「ちょっと見てくる!!」

「おいっ、待て…!!ふざけんな!!!」


もう止められたって止まらない。

傷を負った平助を怒鳴せたのは申し訳ない。でももう迷わないって決めたんだもの!!


私は握られていた平助の手を振りほどき、怒号を背に受けながら池田屋へと迷わず飛び込んだ。




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