歓迎パーティ-5-
ルナは、アルフレッドにリードされながら踊りはじめた。
---あんなに丁寧な対応して下さるなんて、本当に素晴らしい王子様だわ。普段は口悪いけど、凛々しくて、目鼻立ちはとても整っていて、何より本当に綺麗な青い瞳…
目がバチッとあいすぐさま目を反らした。
---見ていたのバレてしまったかしら、ダンスに集中しなきゃ!!
曲調が急に変わりアップテンポなリズムになった。それに合わせて、若い来場者達はここが見せ場とでもいうかのように激しく踊り始めた。
---苦手な曲がきてしまったわ(汗)これ、難しいのにテンポがはやいわ!えっと、次はえっと右足をあっ…
ルナはステップを少し間違えてしまった。しかし、それに対して、アルフレッドが動きを合わし何事もなかったように踊り続ける。
ルナは驚き、アルフレッドを見上げた。すると、とても素敵な笑顔を返された。
---アルフレッド様がフォローしてくださるなんて!
ルナは、気を引き締め直し、その後はダンス間違えることなく踊っていった。
パーティの明かりも消え、王宮から出て後宮に戻っていく。その際も、アルフレッドがエスコートしてくれた。
部屋につきやっと自分の仕事が終わったとルナは肩の力が抜けた。
「今日は、本当にありがとう。」
アルフレッドがもう一度礼をした。
「いえ!それよりも、挨拶周りの時も、ダンスの時も助けて下さりありがとうございました。」
「あーあれくらい、助けたに入らねーよ。本当に1週間お疲れ様。」
アルフレッドは、そっぽを向きルナに目を合わすことなく言った。
「ありがとうございます。アルフレッド様もお疲れ様でした。では、おやすみなさいませ。」
「あっ」
アルフレッドに呼び止められ、ルナは続き部屋に向かう足を止め振り返った。
「どうかされましたか?」
「いや、なんでもない。おやすみ。」
「おやすみなさいませ。」
自分の部屋に入り、緊張することが多かったがアルフレッドがいてくれたのが大きかったのか、そこまでの疲労感がないことに気づく。
ルナは、ベッドの上で転がりながら今日の事を思い返していた。
---アルフレッド様といるとなんだか安心する…それに、今日は、アルフレッド様の笑った表情を見ることが出来たわ…もっといろんな表情を見てみたいな…
そんな事を考えていた時に、頭に違和感があった。髪飾りをつけたままにしていた事を思い出す。
髪からはずし眺めてみると、初めて触れた時は心が暖まったのに、もうその効果は無くなってしまったようだ。
むしろ、さみしい思いが込み上げてきた。
