歓迎パーティ-4-
王と王妃への挨拶も済み、次は国の権力者に挨拶していかなくてはいけない。
アルフレッドは、やや気持ちが下がるものもあるが、しっかりと婚約を認めさせるためだと気を引き締めた。
「(小声)次に挨拶するのは、あそこにいる…」
「宰相を勤めていらっしゃる、コーシャス・スミス様ですね。」
「お前、覚えたのか?」
「今日のパーティにいらっしゃる方は。」
「いくら、小規模とは言え100人はいるぞ!?」
アルフレッドは、挨拶前に名前等教えれば良いかと思っていた。まさか、覚えてくるとは思ってもみなかった。
「失礼になってはいけないと思い。」
「良い根性してるな。」
ニヤリとアルフレッドが笑った。アルフレッドの初めてみる顔に、ルナは胸がドキッと高鳴った。
「ありがとうございます。」
「じゃあ、どんどん挨拶廻りしていくか」
挨拶廻りもほぼ終わった頃に、一人の男がやってきた。
「これが、俺の従者クロードだ。」
そこには、好青年を絵に描いたような、爽やかで優しそうな青年が立っていた。
「始めまして、クロード・マクレーンです。」
「始めまして、ルナ・ブルートンでございます。」
クロードが、じーっと髪飾りを見つめている。
「どうかされましたか?」
「ルナ様は、本当にピンク色がお似合いになりますね。」
「お前が選んだのに、何言ってるんだ!ルナ、次はあっちに行くぞ。」
---あっアルフレッド様が選んでくれたわけじゃなかったのか…
「挨拶廻りは終わりだ。何か飲むか?」
「踊らなくて良いのですか?」
「こっちの国の踊りは、そっちとは違うぞ。」
「大丈夫です、この曲踊れます。」
「もしかして、踊りも覚えたのか?」
「一応。」
「地理や、ある程度の自治なんかも把握してたよな?」
「まだまだですが、カロルさんが全て教えてくれました。」
「たった1週間で?」
「えっと、根性で覚えました。」
「根性!ハハハハ!マジかよ、そーか根性で覚えたのか!」
---アルフレッド様ってこんな風に無邪気に笑うんだ!
「まさかそこまでしてくれるとは思ってもみなかった。和平の為にそこまでの労力、国を代表して礼を言わせてくれ。ありがとう。」
アルフレッドは、膝ついてルナの手の甲を額に当てた。
「そんな!!そんなにして頂けるような事はしておりません!」
「いや、本当にありがとう。お前の努力を無駄にしてはいけないな。」
ニヤリとアルフレッドが笑った後、いつもの王子らしい笑顔に戻した。
「ルゥ、僕と踊って頂けませんか?」
「はい、喜んで。」