歓迎パーティ
チチチと鳥の鳴き声が聞こえる。ベッドの感覚も天井の模様もいつもと違う。あーもうレイルン国ではないのだと実感をした。
ルナはそんな気持ちを振りはらうように、元気よく起き上がった。
「キャシーおはよう!」
「おはようございます、ルナ様。今日もお元気ですね!さあ、お支度を致しましょう。」
キャシーがテキパキと支度をしてくれ、朝食のためにダイニングに向かう。すると、もうアルフレッドは座っていた。
「ルゥ、おはよう!今日の服装もとても素敵だね。」
「ありがとう。とても嬉しいわ!」
朝食が始まった。今日もとても豪華で食べきれるか心配になるほどである。
「1週間後に、君の歓迎パーティを予定しているんだ。」
「まあ、それは嬉しいですわ。」
「王妃、僕の母上が君に会いたがってしょうがないんだよ。」
仲好く朝食を終え、アルフレッドを見送った後、ルナはすぐに、カロルのところに向かった。
「カロルさん、この国の歴史、政治、それにダンスも教えて下さい。あと、パーティ参加者リストを下さい。」
「ルナ様の歓迎パーティです。そこまで無理される必要はありませんよ。短い期間ですし、最低限の事だけ行いましょう。」
「いえ、無理しても全部やりたいのです!」
「その場合、講義は厳しくなると思いますが宜しいですか?」
「宜しくお願い致します!」
「では、さっそくはじめていきましょうか。」
アルフレッドは、王宮内にある執務室で公務を行っていた。机は、多くの書類であふれている。
従者であるクロードには、整理整頓をとお小言をもらうが、仕事が出来るなら、汚くても問題ないだろうというのが、アルフレッドの考えである。
仕事にひと段落がついたところで、アルフレッドは、クロードに話しかけた。
「仲良いアピールの為に歓迎パーティ用に、贈り物でもすべきだな。」
クロードは、ルナとの婚約が両国の関係改善が目的である事を伝えられている唯一の人間である。
また、クロードの前では、アルフレッドは王子らしい振る舞いをしない事からも、クロードへの信頼心がうかがえる。
「とても良いと思います。」
「髪飾りなんかが目立つからいいかな、クロード適当に見繕って送っておいてくれ。」
「承知しました。何か、色などのご要望はございますか。」
「色か…ピンクにしてくれ。」