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政略的結婚  作者: こん
22/27

アル湖-2-




 青くきらめく湖が一面に広がっていた。

「うわー!綺麗…」

 ルナが感嘆の声を漏らすと、王妃様がクスクスと笑った。

 前にもこんな事があったな、等と頭によぎりながら、ルナははしゃいでしまった事を謝罪した。

「いいえ!そんなに、素直に感動する姿が微笑ましかっただけよ。」

 王妃様は、ニコニコとルナに話しかけた。

「あのね、ここは人がほとんど来ないから、入っても大丈夫よ!」

「本当ですか!? じゃあ、ちょっと足を入れてきます。」

 嬉しそうに、湖に足をつけ冷たいなどと言っているルナの姿を見て、王妃は微笑ましい気持ちになった。


「アルフレッド、ルナの手をひいてあげないの?」

「えっあっ僕とした事がぼーっとしていたよ。ルゥ、手を。」

 アルフレッドが差し出した手をルナが取った。

 ---素手を握るのは初めてだな…すべすべしてやわらかいな…

「本当にアルの瞳に本当に似た色だわ!!とても奇麗…」

 アルフレッドは自分の事をが言われているわけでもないのに、ドキドキしてしまった。

 少し、目をそらすと、足が目に入った、白くて細い、もっと上の方は…

「アル?進まないの?」

「いっ今進む!」

 邪な考えに至っていたところに声をかけられ、アルフレッドはとても慌てた。王子らしい振る舞いをしなくては、落ち着け!と自分に言い聞かした。

 少し深呼吸をしてから、王子顔をつくった。

「転んだりしないでくれよ、ルゥが怪我でもしたら一大事だ。」

「もう、アルったら、心配し過ぎよ。」

「どうやら僕は、君の事になると、心配性になってしまうようだね。」

「私も、しっかりとしたレディですから、転んだりなんか…あっ」

 川底の苔に足を滑らせ、ルナは大きくバランスを崩した。

「ルナ!!」

 アルフレッドは即座にルナを抱きとめた。

「あっありがとうございます、アルフレッド様。」

 至近距離で、目が合う。アルフレッドが手をルナの頬に当てた。

 ぽきっ

「あっ気にしないで、続けて続けて。」

 音のした方を見ると王妃が、オペラグラスでこちらを見ていた。


「母上!!」

 アルフレッドは、走って王妃の元へと向かっていく。

 ---アルフレッド様、今、キスしようとして…ってそんなことあるはずないわ!でも、どうしよう、ドキドキがとまらない…

 顔が赤くなるのをなんとか抑えようとしながら、ルナは王妃とアルフレッドの元へと向かっていった。

「あら、愛し合うもの同士キスなんて普通じゃない?」

「キスなんてしません!!っていや、その、ですから、人前でする趣味はないだけで、キスくらい普通です。」

 アルフレッドは、キスという単語で心臓が飛び出るような思いになったが、なんとか心臓を抑え仲のいい婚約者を演じた。

「アルフレッド、貴方達が国を思って婚約した事くらい、貴方と親しい人間は分かっているわ。」




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