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政略的結婚  作者: こん
20/27

農業




 アルフレッドの看病のおかげか、ルナは翌日には回復した。しかし、アルフレッドはベッドから起き上がる事を許さず、カロルの講義も禁止だと言ってから出かけていった。

 お目つけ役として侍女長で忙しいのにセリーヌも今日は付き添ってくれる事になった。


 やることの無くなってしまい、ルナはとても暇である。そうすると、いかにお金を捻出出来るかばかり考えていた。

 しかし、なかなか良い案は浮かばない。キャシーも色々と言ってくれるが、2人で頭を悩ませるばかりになってしまった。

 その姿を見てセリーヌも後宮の情報をくれるが、なかなか良い案が出ずに唸っていた。


 そんなところに、コンコンとノック音が聞こえセリーヌが扉を開けた。

 そこには、シェフ姿の見知らぬ男性が立っていた。

「始めまして、後宮でシェフ長をさせて頂いております、ジャック・マクレーンと申します。」

「始めまして、いつも美味しい食事をありがとうございます。」

「お加減はどうですか?本日は、旦那様に、昼食は奥様の希望を聞くようにと言われましたので、食べられそうな物などを伺いにまいりました。」

 そういいニコリと笑うジャックの姿はとても優雅で、思わず見とれてしまった。

 朝食までは、おかゆだったために、ルナはもうすでにお腹はすいている状態である。アルフレッドの配慮を嬉しく感じた。

「ありがとうございます。あまり、脂っぽくない物で簡単な物を頂けないでしょうか。」

 そう答えてみると、いつもの食事が本当に豪華すぎると気がついた。食費を削れれば、節約が出来るのではないかと考えた。

「あの今後、普段の食事をもう少し簡易な物にして頂けないかしら?」

「何か、食事に問題ございましたか?」

 ジャックが少し不安そうな顔を見せた。それを見て、ルナは焦り否定した。

「まさか、全く問題なんてありません!本当に美味しいです!!ただ、少し節約をしたいな、と考えておりまして…私の食事だけどうかお願い出来ないでしょうか!」

「ルナ様のだけ…んーそーですねー。では、朝食と夕食は今まで通りで、その残り食材などを組み合わせて、昼食をお作りするなんてどうですか?」

 ジャックは、少し考える格好をしたと思ったら、パチンと指を鳴らし提案をした。

「そんなことして頂けるのですか!?どうか、宜しくお願い致します。あっあともし良ければ、食糧費の帳簿を見せて頂けないでしょうか?」

「ルナ様は本当に、節約に御熱心なのですね!理由は、カロルから伺いましたよ。微力ながらお手伝いさせて頂きます。」

 ジャックは、面白げに話を聞いてくれ、ウインクをして答えてくれた。

「その態度はルナ様に失礼ですよ。」

 黙って見ていたセリーヌがさすがにと思ったのか苦言をいった。しかし、それ対してジャックは顔色一つ変えず、いやむしろ、より笑顔になった。

「セリーヌ、ルナ様に妬いているのかい?僕が愛するのは君だけなのに!」

「またそんなふざけて!!」

 セリーヌの怒った顔を初めて見た。しかし、それにすらジャックは気にする事もなく、では、さっそく食事を作って、帳簿も持ってきますねーとジャックは、楽しげに部屋を出ていった。


 その後、ジャック自ら食事と帳簿を届けに来てくれた。ルナが食事を終えて、帳簿を見ている時も、どういった経費なのか丁寧に説明してくれた。

「形をつぶしてしまう、トマトなんかはもっと安いものを使うのは駄目でしょうか?」

「確かに、形は悪くても問題はないですね。味が落ちてしまうのは駄目ですがね。」

「んートマト栽培するなんてどうですか?」

「庭師に栽培の仕事を頼んでみますか?」

「いえ、さら地になっているところがありまして、私が栽培をしてみたいなと。」

「ルナ様が?それは面白いですね!」

 じゃあ、私がカロルとかを説得しておきますねーとさっそうとジャックは出ていった。セリーヌは諦めたように、日傘や作業服などを確認してきますと、ジャックを追って出ていった。



 翌日、アルフレッドからベッドから出る許可をもらい、午前はいつも通りカロルの講義を受けた。昼食は簡易なものになっていた。

 簡易でも美味しいわ、と感動した後、セリーヌが用意してくれた服を着て、庭師のダリウスに会いに行った。


 そこで、ルナはさら地でトマトを作らせてもらえるよう頼んだ。

 すると、ジャックから話は伺っておりますと、トマトの栽培方法と、栽培道具の使い方を習った。

 初めて、くわ持って地面を耕してみて、その難しさを痛感したが、時間をかけてなれていった。午後いっぱいを使って、狭い範囲ではあるがトマト畑を耕す事が出来た。




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