市街地訪問-2-
次の日の朝、見事にアルフレッドは風邪をひいていた。アルフレッドはうつるから近寄るなと言ったが、ルナは自分の責任だとつきっきりで看病をしていた。アルフレッドの汗をぬぐいながらルナは声をかけた。
「本当に、私のせいで申し訳ありませんでした。」
「馬鹿、何度もいったろ。連れていった俺の判断ミスと、警備の甘さのせいだ。お前はなんにも悪くない。」
アルフレッドは、言い聞かせるように言うが、ルナの顔は晴れない。
「それに、大病人みたいに扱うが俺はもう、公務が出来るくらい元気だ。」
ルナを安心させたく、頭が痛むのを我慢し、上半身起き上がり、手を上げ下げして見せた。
「まあ!そんな無理なさらないで下さい!」
ルナはそう言い、アルフレッドの肩を押さえ、ベッドに横にさせた。急に近付いた距離にアルフレッドはドキッとした。
「ゆっくり体を休めて下さいませ。」
横になったことと、先ほど飲んだ薬のせいかアルフレッドは眠気に襲われ、少し休むと告げると目を閉じた。
ルナはその姿を見てやっと安心した。
ルナは、この国に来ると決めた時から、両国の改善のために何が出来るのかずっと考えてきた。
今回のことで、現状をしっかりと把握する必要があると痛感した。
その時、執事のカロルが入ってきた。
「アルフレッド様はお休みになられたのですね。」
「はい、先ほど。」
ルナは決意をカロルに伝える事にした。
「私、この国でしたい事を具体的にすることが出来ました。調査団を設立させたいです!そのためにもっと節約するので、そのお金を設立予算にあてて欲しいです!!」
「承知致しました。今後の浮いた予算全てそちらにまわします。」
「あっあのね、全然大したお金にはならないけど、内職もしているの。それも加えてくれるかしら。」
カロルは、少し驚いた表情になったがすぐに、にこりと笑い、承知しましたと言いさっそく手続きなどをしてきますと、部屋から出ていった。
アルフレッドはまた、汗をかいていたのでふいた。
その姿を見て、もっと頑張らなきゃ!と決意を強くして、続き部屋にあるやりかけの刺繍をとって、眠るアルフレッドの横で縫い始めた。