デート-2-
馬場につくと既にアルフレッドが馬をなでている姿が見えた。
---アルフレッド様、無邪気な顔をされてる…馬お好きなのかしら。
「あっ支度出来たのかな。」
アルフレッドは、ルナが来た事に気づき振り返った。ルナは乗馬用のズボンに履き替えていた。
ウエスト細さや、体のラインが分かりやすいくていいな、などとアルフレッドが眺めていると、クロードに舐めまわすような視線はやめた方が良いと思いますと言われた。
今度こそ、蹴りを入れた。
「えっどうかされましたか?」
急に、蹴るなんて非日常的な事が起こりルナは驚いた。
「なんでもないよ。ほら、一番大人しく頭の良い奴を連れてきたよ。まず餌を与えてみるかい?」
アルフレッドはなにもなかったように笑顔で話を進めていく。ルナもこれ以上触れてはいけないことなのかと思い、忘れることにした。
「はい!私の手から食べてくれるかしら?あっ食べた!」
楽しそうなルナの姿をみてアルフレッドは、心が満たされる気分になっていく。
「こっちは、アルの馬?」
「ああ、レスターっていうんだ。気が荒いし、人なつっこくないが足は抜群に早く頭も良いんだ!!」
---やっぱり、好きなんだなぁ…なんだか少年見たい!始めてみる顔だわ。
「あれ、こっちにきた。私の手から、餌食べてくれたわ。」
「珍しい、こいつめったに人懐かないのに!」
---うわ、驚いた顔も始めてみる。こないだ笑った顔もそうだし、王子様顔やしかめっ面以外の顔の方が素敵だわ。
「じゃあ、乗ってみるか。」
「はい!」
ルナは、馬にまたがりゆっくりと走り始めた。
「なんだ、上手いじゃないか。」
「この子が優秀なだけですよ。」
そういうと、ルナは、馬を止め降りた。
「アルがレスターにのっている姿を見てみたいわ。」
「わかった。」
アルフレッドは、ふわりとレスターに飛び乗り、少し速くかけてみたり、急停止してみせたりした。
「凄い!!レスターと一心同体みたいに息がぴったりね!」
ルナに褒められ、頬が緩むのを感じた。気づかれないように一度咳払いをした。
「別に大したことじゃない。」
アルフレッドは短い返事だけして、もっとその場足踏みや、跳んでみたりなんかしていく。
すると、それを見てルナが喜ぶので、より様々な事をしていく。そんなことを繰り返していくうちに日が沈んできた。
「そろそろ暗くなってきたし、後宮に戻ろう。」
アルフレッドの言葉に、もう終わりか…とルナは少し残念に思いながら、帰り支度を始めた。
帰りも、アルフレッドのエスコートで後宮に戻っていく。
「アルは本当に乗馬が得意なのね!!素敵だったわ!!」
ルナは、アルフレッドの乗馬姿を思い出し興奮気味に褒め称えた。
「別に大したことじゃない。」
アルフレッドはまたそれだけ返し、そっぽを向いてしまった。
あまり、乗馬について褒められるのはお嫌なのかしら?とルナは疑問に感じていたら、アルフレッドの耳が赤く染まっていることに気付いた。
「もしかして…アルフレッド様照れてます?」
「なっそんなわけないだろ!!」
そう言い返す、アルフレッドの顔が真っ赤で、たまらずルナは笑ってしまった。
「違うっていってるだろう!!」
「はい、そういうことにしておいてあげますよ。」
「だから、違う!!」
そういうと、アルフレッドは歩くスピードが上げた。ルナは置いていかれないように早歩きになり、アルフレッドの横にくっついて、時々顔を覗き込みながら2人で帰っていった。