節約-2-
昼食後、次はカロルのところにルナは向かった。
「カロルさん、2つお願いを聞いて頂けないでしょうか?」
「はい。ご希望に添える用努力したします。」
「あのね、まず、私の調度品購入のために用意されているお金ってどのくらいなのかしら?」
「こちらに来られて物入りいでしょうし、このくらいの額を…」
大まかな額を告げるとルナはとても驚いた表情をした。
「まぁ、そんなに!私、調度品の購入を控えても良いかしら?」
「ですが、調度品にお金をかけていないと、旦那様からの扱いが良くないように見られます。」
「そーそこで、これを見て!」
ルナは嬉しそうに、姿見をカロルに見せた。ある程度大きさのある物なのに、ここまで運んでこられたのかと思うとカロルは少し肝が冷えた。
「立派な姿見ですね。」
「今日午前中に、セリーヌさんに案内してもらい王妃様の残された調度品や服から見つけたの!」
「デザインが古いものばかりではありませんでしたか?」
「それで、これはレースをとってみたの。そのアイデアもセリーヌさんがくれたの!これなら、いけそうでしょう!」
ルナは嬉しそうに、姿見についていたレースをはずした方法などを語っている。持ちあげたりしながら説明をするので、カロルは置くようにお願いをした。
「しかし、そんなに数はないのでは?」
「セリーヌさんの手入れが良くてほとんどの物が使えるわ!アレンジも今日で感をつかんだし、明日以降やっていくわ!」
「ご自身でなされるのですか?」
「私、手先器用なのよ。」
ルナは、エッヘンと胸をはった雰囲気で言った。
「ルナ様がそれを望むのでしたら、私は何も言うことはございません。ただ、あまり重いものを運ばれたりするのは危険ですので、お止め下さい。」
「そうね、無理はしないことにするわ。」
少し、しょぼんとルナが落ち込んだ。かと思ったら、また笑顔になり、話し始めた。
「あっそれでね、少しはお金浮くわよね?私、この国でやりたい事があるの。余ったお金をそのために貯めたいの。」
「貯める事は可能ですが、いったい何をなされたいのですか?」
「それは、もう少しこの国の経済や政治を勉強して具体的に出来てから伝えたいわ。」
「ということは、ルナ様のもう一つのお願いというのは、引き続き勉学の教授ということですか。」
「その通りです!」
「ルナ様の教育係として、しっかりと務めさせて頂きます。もう焦る必要もありませんから、講義は午前中だけにいたしましょうか。」
「はい!宜しくお願いします!!」