節約
歓迎パーティ翌日、昨日抱いた思いなどから、少しアルフレッドとの朝食は緊張してしまった。
しかし傍目から見れば、いつも通り仲の良い婚約者を演じることができたはずだとルナは安心した。
朝食の後、ルナはあるお願いをするために、侍女長である、セリーヌのところに向かった。
「セリーヌさん、王妃様が使われていた調度品や洋服ってどこにあるかしら?昨日、処理したり再利用して良いと言われたの。」
「そうですか、ではご案内いたします。」
「ありがとうございます!」
セリーヌは保管場所にむかって案内を始めた。ルナは、中階段の当たりにあるのかしらと、歩きながら想像がつき、この後宮が自分の家のようになってきたように思えて嬉しくなった。
「ところで、保存状態ってどんな感じなのかしら?」
「月に一度は手入れをするようにしていますので、さほどの劣化はないかと。」
「そんなにこまめに手入れをして下さっているのですね。じゃあ、それを再利用すれば、新調の必要もないしお手入れの手間も省く事が出来るのね!」
ルナが嬉しそうに告げると、セリーヌは少し不思議そうな顔をした。
「新しい物はご用意されないのですか?」
「私は、別国の人間ですので、この国に合った物を選べるかわかりません。それに、まだまだ使える物を活用しないのは…」
「お姫様は新しい物がお好きな方ばかりと思っておりました。実は、綺麗な物達がこのまま日の目を見ないのは忍びないと思いながら手入れをしておりました。」
「じゃあ、再利用に賛成してくださる?」
「私としては、嬉しいかぎりです。もしよろしければ、今の流行りに合う物を選別いたしましょうか?」
「そこまでしてくれるの!?お仕事増やして申し訳ないけど手伝ってくれたらうれしいわ!!」
ルナの笑顔につられて、セリーヌも笑顔になった。
「王妃様の調度品手入れは私の仕事ですから。」
「ありがとう!よろしくお願い致します!!」