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政略的結婚  作者: こん
10/27

歓迎パーティ-5-(アル視点)




 ルナの手をとり、アルフレッドはダンスを始めた。

 ---こんなにしっかり手を握るのは初めてだな。手…小さいな…そもそもこんなに近付くのも初めてだな。甘い匂いがする…なんの匂いだろう…

 ダンスの振り付けで、ルナの腰に手をかける。

 ---腰細いな。近くで見ると、肌は透明で頬は薄ピンク色だな。目はこぼれ落ちそうなほど大きいな…

 バチッと目が合い慌ててそらした。

 ---ヤバい!見てたのバレたか?

 もう、合わないようにと、目を反らしていたら髪飾りが目についた。

 ---髪飾り…ピンクと言ってもこれは色が強いな。もっとあの花のように淡い色の方が似合うだろうな、またあげたら喜ぶかな…別に、喜ばしたいわけじゃない!仲良いアピールだ!ただ、髪結い上げて、首筋が…なに考えてるんだ!落ち着け俺!!


 曲調が変わりアップテンポな曲になった。これは、若者の好む曲なので、周りは急に意気込んで踊りだした。

 ルナがステップを少し間違えた。この曲は一番難しいであろう曲なのに、よく少ししか間違えないなと感心しながら、アルフレッドは動きを合わしミスをごまかした。

 目が合うと不安そうにしてるから、笑顔で返す。

 ---こんだけ覚えててくれれば問題はないな。


 パーティの明かりも消え、アルフレッドはルナを後宮にエスコートした。

 その際今まで気にしていなかったが、触れ合う手に意識がいってしまう。そんな事を考えていると部屋についた。

「今日は、本当にありがとう。」

 アルフレッドがもう一度礼をした。

「いえ!それより、挨拶周りの時も、ダンスの時も助けて下さりありがとうございました。」

「あーあれくらい、助けたに入らねーよ。本当に1週間お疲れ様。」

 ルナに礼を言われるとなんだか気恥しくなり、目をそらして何の気ないように返答した。

「ありがとうございます。アルフレッド様もお疲れ様でした。では、おやすみなさいませ。」

 そういうと、ルナは振り返ってしまった。

「あっ」

「どうかされましたか?」

「いや、なんでもない。おやすみ。」

「おやすみなさいませ。」

 ---引き留めてどうするつもりだったんだ!いや、部屋で少し飲むのに誘うくらい普通だろう…挨拶廻りとダンスばかりだったしな。誘ったら、OKしてくれたかな…



 ルナが部屋に入ると、ノック音が聞こえクロードが入ってきた。

「今日はお疲れ様でした。明日のご予定ですが…」

「その前に、なんで、わざわざ髪飾りの事なんて言ったんだ!」

 アルフレッドは、続き部屋には聞こえないように声を落としつつクロードに文句を言った。

「アルフレッド様はセンスがあると誉めたつもりでしたが?」

「お前、ニヤニヤしてるんだよ!別にあいつに似合うと思ってピンクと色を指定したわけじゃない!あいつが好きだって言ったからだ!」

「ルナ様の趣味をよくご存じのようで、仲がよろしいですね。」

「仲なんかよくない!くそ従者め!」




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