霧の岬の処方箋 〜「先生、それ治療ですか観察ですか」「両方です」~
最新エピソード掲載日:2026/03/20
人間と異種族が「霧の協定」のもと棲み分けて生きる世界。大陸の最果て、海と森と断崖が交わる霧岬に、一人の医師が赴任してくる。名前はユーリ。元王都の大病院勤務、腕は確かだが、人間の患者には「よくある症状ですね」で終わらせる一方、異種族の患者が来た瞬間にメモ帳を取り出す変わり者だ。
霧岬異種連絡診療所には、訳ありの患者たちが集まってくる。助けを求めることを知らない二百歳の竜族、人間を怖がりながらも海から通い続ける人魚族の少女、言葉を持たないスライム、老いるという概念を持たない森の精霊——。
種族も常識も価値観も違う相手と、ユーリはただ誠実に向き合い続ける。特別な力も熱い言葉もない。あるのは観察眼と記録と、少しだけ不純な動機だけ。
それでも少しずつ、信頼が積み重なっていく。言葉が通じなくても、誠実さは伝わるのだと、この岬は静かに教えてくれる。
霧岬異種連絡診療所には、訳ありの患者たちが集まってくる。助けを求めることを知らない二百歳の竜族、人間を怖がりながらも海から通い続ける人魚族の少女、言葉を持たないスライム、老いるという概念を持たない森の精霊——。
種族も常識も価値観も違う相手と、ユーリはただ誠実に向き合い続ける。特別な力も熱い言葉もない。あるのは観察眼と記録と、少しだけ不純な動機だけ。
それでも少しずつ、信頼が積み重なっていく。言葉が通じなくても、誠実さは伝わるのだと、この岬は静かに教えてくれる。