第8話「遺跡」
旧文明の遺跡は、街の裂け目の奥深くに静かに眠っていた。
ひび割れた石畳、崩れ落ちた柱、かすかな光を反射する古代の金属。
空気はひんやりと澄み、戦いの余韻と、時間の重みが混ざり合う。
「……ここが、噂の遺跡か」ゼフィが低く呟く。
彼女の冷静な目が、古代機構の形状や罠の痕跡を瞬時に読み取る。
「罠がある。足元に注意して」
マキナが後方から声をかけ、仲間の安全を確保する。
瓦礫を踏みしめ、カナタは拳に力を込める。
焼き印が赤く光り、世界線の異常を示す波動が微かに肌を刺す。
「ここでも戦闘になるかもしれない……準備しろ」
突然、影が動いた。小型断層獣が瓦礫の影から飛び出す。
ノワルは刀を振るい、鋭い斬撃で獣を仕留める。
リベラは熱血の蹴りで残党を蹴散らす。
ゼフィは周囲の地形を利用して仲間の動線を補助し、マキナは癒しの光で全員を支える。
戦闘の余波で、古代機構が反応する。
光の線が石壁を這い、微細な振動が空間を震わせる。
「……これは、ただの廃墟じゃない」カナタは息を飲む。
遺跡そのものが、意思を持つかのように動き始めたのだ。
ノワルが周囲を警戒しながら刀を構える。
「ここで、油断はできない」
彼女の声に、リベラとゼフィも緊張を高める。
マキナは仲間に軽く手をかざし、回復と防御の魔法を展開する。
瓦礫の影で、さらに複雑な機構が動き始めた。
古代の罠と敵の潜伏が絡み合い、チームは戦術と心理を最大限に試される。
互いの呼吸を確認し、連携を取る瞬間、ヒロインたちの絆が鮮やかに輝く。
都市の裂け目はなおも広がり、世界線の歪みは増していく。
だが、カナタは確信していた。
「仲間がいる。俺たちは、この遺跡も、この街も守れる」
戦闘の緊張、古代機構の神秘、ヒロインたちの心理――すべてが交錯する。
そして、次の試練が、静かに彼らを待ち受けていた。




