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第2話「裂隙」
瓦礫の迷宮を抜け、カナタとノワルは静かに前進する。
街の上空には亀裂が走り、光の波が揺れている。
時折、遠くで断層獣の唸りが響く。敵は確実にこちらを観察し、隙を狙っている。
「油断は禁物だ」
カナタの低い声に、ノワルが頷く。
彼女の目は冷静そのものだが、わずかに指先が震えている。戦闘本能と緊張感が混ざった微細な動きだった。
闇の中から、小型断層獣が飛び出した。
体長2メートルほどの獣影は、漆黒の筋肉と鋭い爪を持つ。
その一瞬の動きで、カナタは直感的に戦術を組み立て、拳に力を集める。
「これで――!」
衝撃波が発生し、断層獣は吹き飛ぶ。瓦礫と塵が舞い、煙の中でノワルが斬撃を加える。
彼女の刀が光を切り裂き、敵は完全に制圧された。
「……少し、気持ちよかったかも」
普段無表情なノワルが、口元だけ微かに笑った。カナタは気付かずに目を細める。
しかし街の裂け目から漂う異様な空気は、安堵を許さない。
世界線異常の波が、かすかにだが確実に拡大している。
手首の焼き印が鈍く赤く光り、警告を発する。
「仲間が……必要だな」
カナタは視線を前方に移す。
都市の高層ビルの向こうから、新たな仲間たち――リベラ、ゼフィ、マキナ――の気配が迫っている。
これがチーム結成の第一歩になることを、直感で理解した。




