第16話「最終決戦前夜」
都市の裂け目の奥、空気は重く、微かに振動していた。
瓦礫の影、古代機構の残骸、黒い霧――すべてが不気味に静まり返る。
焼き印が赤く脈打ち、世界線異常の波動は都市全体に広がっている。
「……ついに、明日が決戦か」カナタは拳を握り、深く息をつく。
ノワルは刀を背に静かに立ち、鋭い視線で都市の裂け目を見つめる。
リベラは熱血を抑えきれず、拳を軽く叩き合わせる。
ゼフィは地形と戦術のシミュレーションを頭の中で展開。
マキナは仲間の体調を最後に確認し、癒しの光を静かに放つ。
全員が覚醒した力を実感しつつも、心には不安と緊張が混ざる。
「俺たち……全員で、この街を守れるか?」カナタの問いに、ノワルがわずかに笑みを浮かべる。
「……信じるしかない」
その夜、チームは都市の廃墟で最終戦に備えた。
焚火の光が瓦礫に反射し、仲間たちの顔を温かく照らす。
恐怖と緊張、覚悟と期待――複雑な感情が交錯する中、カナタは拳を握り、仲間と視線を交わす。
「明日……全力で行くぞ」
リベラの声が皆の背中を押す。
ノワルの刀が静かに光を帯び、ゼフィは冷静に最終戦術を確認する。
マキナの光が仲間を包み、全員の心に確かな安心感を与える。
夜空には赤く揺れる裂け目の影が映り、世界線異常の警告は消えない。
だがチームは、覚醒した力と心理的結束、そして互いの信頼を胸に抱き、明日の決戦に備える。
「これが……俺たちの力の全てだ」カナタは拳を高く掲げ、決意を固めた。
静寂の中、都市の裂け目は微かに揺れ、闇の奥に潜む最後の敵が動きを待っていた。
明日、すべてが決まる――心理、戦術、そして覚醒した力の極限が試される夜だった。




