第13話「深淵」
都市の裂け目の奥、遺跡の深部。
瓦礫の隙間から漂う黒い霧が、闇のように静かに広がる。
戦いの余韻は消えたものの、焼き印は微かに赤く光り、世界線異常がさらに深刻化していることを示していた。
「……深いな」カナタは足元の瓦礫を蹴り、視線を上方へ向ける。
そこには、巨大な古代機構の影。遺跡の内部は、まるで生きているかのように微かに振動している。
ノワルは刀を握り直し、警戒を怠らない。
「ここで気を抜いたら、全滅する」
リベラは前衛を取り、熱血の気合を周囲に放つ。
ゼフィは地形と敵影を即座に分析し、最適な戦術を導き出す。
マキナは後方から支援光を展開し、仲間の体力と精神を支える。
暗闇の中から、断層獣の進化形が現れる。
黒い鱗は以前より厚く、鋭い爪が光を吸い込む。
その目には知性が宿り、計算された動きでチームを追い詰める。
カナタは拳を握り、適応構築能力を全開にする。
「……行くぞ!」
衝撃波が瓦礫を吹き飛ばし、獣を弾き返す。
ノワルは刀を閃かせ、正確無比の斬撃で敵の動きを封じる。
リベラの蹴撃が連続して決まり、ゼフィは戦術指示でチームの動きを最適化する。
マキナの回復光が、仲間の疲労を瞬時に消し去る。
戦闘は熾烈を極めるが、チームは心理と戦術の極限で呼吸を合わせる。
恐怖、緊張、期待――互いの心理がぶつかり合い、共鳴する瞬間、全員の力がさらに増幅する。
戦いの最中、カナタは気づく。
「この遺跡……敵だけじゃない、俺たちを試している」
古代機構の反応は、ただの障害ではなく、チームの成長を促す試練だったのだ。
戦闘後、チームは互いに頷き合う。
ノワルの微笑み、リベラの勝ち誇った笑顔、ゼフィの冷静な安心、マキナの温かな光――
全員が確かに「深淵」を乗り越えたことを理解した。
都市の裂け目はなお微かに揺れ、世界線異常の波動は消えない。
だが、チームの絆と覚醒は、次の試練に立ち向かう強力な礎となった。




