第11話「覚醒2」
大型断層獣群を退けた後の都市は、静寂と緊張の混ざった異様な空気に包まれていた。
瓦礫の間から微かに立ち上る光が、街のひび割れた地面に反射する。
カナタの焼き印は激しく赤く光り、世界線異常がさらなる警告を送る。
「……これが、原因か」
カナタは拳を握り、心の中で決意を新たにする。
都市の裂け目の奥に潜む力、その正体――ミレイアの影響だ。
手首の焼き印が疼き、体内の力が不意に覚醒する感覚が走る。
「俺の力……進化している」
適応構築能力が新たな段階へと進化し、拳の衝撃波は以前よりも鋭く、広範囲に届くようになった。
ノワルもまた、自らの刀に未知の輝きを宿し、戦闘時の感覚が研ぎ澄まされる。
リベラは熱血の力がさらに増し、蹴撃の衝撃は断層獣を一撃で吹き飛ばす。
ゼフィは戦術解析能力が向上し、複雑な戦局でも即座に最適解を導き出す。
マキナは癒しの光を増幅し、回復と防御の効率が飛躍的に向上する。
チーム全員が力を覚醒させ、互いの呼吸と意識が完全に共鳴する。
「……やっと、本気で戦える」ノワルの声に、冷静さの中に微かな高揚が混ざる。
裂け目の奥、都市の異常な空間がさらに膨張し、黒い影が蠢く。
それはまるで、街全体が生き物のように反応しているかのようだった。
「仲間がいる。俺たちは……絶対に負けない」カナタは心に誓う。
突然、黒い影の中からロギアの使い魔が飛び出す。
鋭い爪、機械のように正確な動き。戦闘は再び加速する。
ノワルの刀、リベラの蹴撃、ゼフィの指示、マキナの支援――すべてが一瞬で組み合わさり、敵を圧倒する。
戦いの最中、カナタは自分の力が以前よりも深く、戦術と直感を融合させられることに気づく。
焼き印の光が脈打ち、世界線異常の波動に逆らうように、都市全体に希望の光を放つ。
戦闘が終わった瞬間、チームの全員が深呼吸し、互いを見つめる。
「……これが、私たちの力」
ノワルの微笑みが、初めて仲間に向けられる。
絆と覚醒――チームはついに、次なる大きな試練に立ち向かう準備を整えたのだった。




