第10話「決戦」
街全体に緊張が走る。
瓦礫の影から、大型断層獣群が姿を現した。
体長は5メートルを超え、黒い鱗が光を吸い込むように反射する。
都市の高層ビルを揺らすその足音は、まるで地鳴りそのものだった。
「来るぞ……!」カナタが叫ぶ。
手首の焼き印が激しく赤く光り、世界線異常の警告が体中に響く。
彼の拳に力が集まり、適応構築能力が最高潮に達する。
「行くぞ、全員!」
ノワルは刀を構え、冷静な眼差しで敵の動線を読む。
リベラは熱血全開で前衛に立ち、蹴りと拳で獣を押し返す。
ゼフィは周囲の地形を瞬時に分析し、仲間の連携を完璧に補助する。
マキナは後方支援で全員の疲労と傷を瞬時に回復し、戦闘の持続力を支える。
大型獣群が一斉に襲いかかる。
瓦礫が飛び散り、地面が震え、空気が切り裂かれる。
カナタの拳から放たれた衝撃波が獣群を弾き飛ばす。
ノワルの刀が光を裂き、リベラの蹴撃が敵の動きを封じる。
ゼフィは戦術の指示を絶え間なく出し、マキナの回復光が全員を支える。
それでも大型獣群は倒れず、圧倒的な力でチームを追い詰める。
「負けられない……!」カナタは心の奥で決意を燃やす。
ノワル、リベラ、ゼフィ、マキナ――全員の動きと意識が完全に同期する瞬間、チームは一体化した。
巨大な断層獣の一撃が地面を割る。
瓦礫が飛び、煙と塵が空気を覆う。
しかし、チームは連携で攻撃を分散させ、致命的な被害を回避する。
ノワルの刀が獣の頸を斬り裂き、リベラの蹴りが最後の一撃を加える。
ゼフィの指示とマキナの支援が、全員の動きを完全に補完した。
戦闘が終わった瞬間、都市に静寂が戻る。
空には裂け目が広がり、焼き印はまだ微かに赤く光っている。
「これが……俺たちの力だ」カナタは静かに拳を握りしめる。
しかし、空の裂け目の奥に、まだ見えぬ影が蠢く。
ミレイア――その存在の気配が、都市全体に冷たい波動を伝えていた。
次の試練は、すぐそこまで迫っている。




