1.死への足音
これは、ある日の出来事。
オレは聞いた。絶望の音を。そう。
オレに何か災厄が降りかかろうとしている。
そう。オレは対人威圧型の要塞、ガガディアンの目の前にいる。
ガガディアンは人を威圧し、挑む者を苦しめる。その風貌はまるで最悪な悪魔のようだった。
…しかしオレは挑もうとしている。なぜだろう?
…そうだ。オレは自身を試したい。それだけだった。
挑もう。怖がっても何も始まらない。
オレはその要塞、ガガディアンの扉の前に立った。
不気味な風が吹き、オレを臆病にさせる。だめだ…臆病になっては!…立ち向かわなければ!
そうだ。オレはこんなところで終わる人間じゃない。
さあ行こう。立ち向かおう。真なる狂気へ。
すると変な声がした…。周りには誰もいないはずなのに…。寒気がして何度もあたりをキョロキョロしたが誰もいなかった。そしたらやっとはっきりとした声が聞こえてきた!
「ケケケ」
…!それは闇のこもった禍々しい声。そう。悪魔だ。
そして姿を現した悪魔はオレを侮辱した。
「お前には何もできん。諦めろ」
くっ…。しかし、オレはできる!おまえを殺ることだって!オレは拳に力をこめて言ってやった。
「オレはやれるぞ!貴様などに遅れはとらん!」
そしたら悪魔はニヤリと笑い、オレの心を貫く一言を言い放ってきた。
「オレはお前よりも強い」
…心臓がドクンと跳ねた。…奴はパワーを見ることができるのか!?…だとするとオレは奴に敵わない。…このまま殺されるのだろうか…?
…弱気になっちゃダメだ!オレは奴を倒さなくてはいけないだろう!オレは必ずガガディアンを攻略するんだ!
そしてオレは悪魔に立ち向かった。拳で殴ったり、キックしたりするが、やつは華麗に避け、オレに強力な一撃をくらわしてきた。
「ぐうぅっ!!」
体から血が吹き出し、奴の攻撃力の高さを思い知る。
「諦めろ。おまえは何もできずに死ぬだけだ」
悪魔がそう言いながらオレを殴り続ける。
機動力、攻撃力、防御力。すべてに長けているあの悪魔に、人間であるオレはやはり敵わないのか…?
このままなぶりごろされてしまうのか…?
…だめだ…そんなことあってはならん。
オレは強いんだ!絶対強いはずなんだ!
悪魔なんかに負けない力を持っているはずなんだ!
オレは力を振り絞って攻撃する!
…しかし!悪魔には傷一つつかない!?
「それが人間の限界だ。無力さを知れ!」
ドスっ!と鈍い音が響わたり、オレの体はえぐれた。
そのままオレの視界はシャットアウトした…。
…それから随分経った頃だと思う。オレは目を覚ました。
目を覚ました場所は、ガガディアンではなく、森の中だった。…なぜこの森で目を覚ましたのかは分からない。なぜなら近くには草と木と花しかなかったからだ。
…くそ…しかしここでくたばっていたとなるとオレは悪魔に負けたのか…しかし、なぜ殺されなかったのかは不明だ。…さて、こんなことを考えている暇はなかった。あくまでもここは森。捕食者がどこにいてもおかしくない環境だ。
用心して草をかき分けながら進むと、変な生き物がうようよいた。
…!?なんだあの生き物達は…!
いづれも見たことのない異形だった。まるでAIで作られたモンスターイラストのようだった。
…怖い。でもハラを決めなくては…奴らを倒せないようじゃオレはここで死ぬ!
オレは勇気を出して立ち塞がった。
謎の生物たちはオレをジッと見つめている。
オレは言い放つ。
「おかしな生命ども!オレが貴様らを根絶やしにしてやるぜ!」
震えながら言ったその言葉に呼応するかのように、謎の生物達の中から一匹の生命体が進んで前に出てきた。
「クク…我とやるか?人間」
おそらくボスであろう生物がそう言い放つ。オレは迷わず「ああ!」と言い、勝負が始まった。
オレはまずパンチ、蹴りの王道パターンで攻撃した。しかし、体が思うように動かない…ぐあ!
そうだ…相手は謎の生物…。うかつに近接攻撃をするべきではなかった!
「我の名はウズベルディ!見知りおけ人間!」
ウズベルディはオレに変な妖術で攻撃してきた。
その妖術の内容は、麻痺させ、身体の細胞、筋肉繊維にダメージを与えるものだった。するどい痛みがオレを苦しめる!まるで雷に打たれているようだ!
「ぐっ…ぐあああああっ!」
オレは悶える。立っていられない…男たるもの…ここで折れてしまっては…ダメなはずなのにっ…!くそッ!
「我の妖術は肩こりに効くとよく言われているが、おまえは弱すぎなようだな」
ウズベルディの皮肉まじりの言葉にオレは怒りを隠せないが、同時に悟った。これが現実だと。オレの弱さは現実なのだと!…オレは痛みの中で絶望した。激しい苦痛を味わう!あああっ!神は残酷だ!オレになんのパワーも与えてくれなかった!…いや、そうじゃない!こいつらはそもそも人間が敵うような敵ではなかったんだ!そう思い込むことで安心しようとした。
…でもダメだ。やっぱり己の無力さを思い知ってしまう…。くっ…くそぉっ…ちくしょうーー‼︎…
気づいたら息をしていなくて意識を失った…。
…それから多分明日になった頃だろう。
オレは目を覚ました。するとそこは観光名所「ヴィランゲート」だった。ここは危険だが見たいという人が後をたたない。
…オレはまた殺されなかった。その理由を考えても日が暮れるだけだ。せっかくここにいるし観光でもしていこうと思った。
…ヴィランゲート。かなり硬そうな物質でできた魔界への扉だ。ここから時折悪魔が召喚され、観光に来た人間を引き摺り込むらしい。すごく怖いがスリル満点だ。オレはその禍々しい扉をまじまじと見つめていた。するとある言葉が聞こえてきた。
「見るなよ」
その言葉にオレは思わず振り返った。そこには観光客がいた。観光客はオレに言い放つ。
「目障りなんだよ。お前」
どうやら因縁をつけてきているようだ。売られたケンカは買わなくてはならない!オレは思わず口を開いた。
「かかってこい!」
それが勝負の始まりのゴングだった。観光客は一瞬でオレの背後に周り、膝蹴りをくらわしてきた。
「ぐあ!!!」と思わず大声をあげ、倒れ込む。
そのまま馬乗りになられてオレはボコされた。
オレは一体どうなってしまうのか




