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4話:部屋掃除-3



in愁人の部屋


「待って!!!ねぇ待ってよ本当に頼むから」

「ん〜??どうしてそんなに焦っているのかなぁ?」

やっぱり筍怖い…とみんなが少し離れたところから眺めている。


「……何にせよ、行くしかねえか」

と、裕介が意を決してドアを開けようとした瞬間。


「よっ」

「!?」

「えっ」

「なに!?なに!?愁ちゃんで見えない!!!」

「おまっ……は???」


「なんでいるの!?恭弥」


「よっすよっす〜」

まさかの後ろに、恭弥が立っていたのだ。


「いや、インターホン鳴らしたからね?」

「まじ?気づかなかったわごめん」


恭弥が難なくこの家に入ってこれた理由は、ただ一つ。

この家の所有者は恭弥である。


最初は、お金持ちの坊っちゃん本人が「建てようか?」と言い出したが。

祐介やさほろの説得により、大きめの家をリフォームする形になった。


そして、その契約をしたのは恭弥だが、


「実権は他の人が握ったほうが安全だから」


と本人が言うから、裕介が管理人もどきをしている。


「あれ、今日来るの?」

「第二期入居組…とかじゃないよね」

「まぁね。掃除してるって言ってたし。久々に様子を見に来たって感じかな」

「そういうことか」


「すまん、僕は先に聞いてたのに気付けなかったわ」

「いいよ、むしろなんだかお疲れ様」

そんな仲の良い上司と部下のような会話を繰り広げながら、本題の愁人の部屋に入る。


「……きれい?ん?」

「ばっと見問題何もなくね?」

「いや。……汚いってよりも。まとまりがないな」


箱や引き出しに色々と詰め込まれていて、散らかってはいないし、汚れてもいない

ただ、箱自体が散乱していたり、そこかしこにあるのだ。


「……自腹で引き出し買ってきて整頓するか物を捨てるか選べ」

「………捨てるけど無理だったら、ってことで…」

「ん。なら捨てるのだけはやっちゃおう。」

「うっ………わかりました……」


本人の了承も得たうえで、断捨離タイムが始まった。


「これは?」

「家麺で行った旅行のお土産の箱…」

「捨てよう」

「まだ何かに使えるかもじゃん!?」

「そういう人が物を溜め込んで増やしてくんだよ捨てるぞ」


「愁人、わかるけど諦めなよ。」

「透花も同じ状況なのよくわかってるな、じゃあ断捨離しような」

「…はぁい」


裕介だけでは捌ききれなかった量の情報たちが片付いていき、スムーズに事が進んでいく。

恭弥がいるとやはり心強い。もちろん、最初からどうせ掃除の中で駄々をこねるやつがいるだろうと思って呼んだのだが。


「あーーー!!!ちょっと待って容赦なさすぎない!?」

「お前が悪いだろ」

「こうなったらとことん...」


「愁ちゃん、あきらめなよ。」

ゴミ箱の前に立ちふさがって必死に阻止をする愁人だが、渉の容赦のない一言によって打ち砕かれる。


「世界平和のために!!ね!!!」

「汚いほうがゴキブリ出て平和じゃないだろ」

「ごもっともです!!!」


そんなこんなで、最後まで愁人は抵抗しながらも、無理やり掃除を終わらせた。


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