3話:部屋掃除-2
in筍の部屋
「まぁ……面白くはないだろうな」
「おかしいな僕としては助かるはずなのに」
筍の部屋の前に来た一行。本人だけが一度部屋に入って最終確認をするからと、廊下で待たされている。
「おっけーでっせ皆さん」
と、筍が扉から覗き込みながら声を掛ける。
「び……びったぁ……」
部屋に入ると……謎の膝くらいまである箱と、整理整頓されて怪しさもない部屋が広がっていた。
「うわ……ちゃんとしてる」
「裕介、だめな所ある?」
「強いて言うなら配線の辺りがゴチャついてて危ないかな、整頓して埃とるのだけやろうか」
「りょーかい、瞳手伝って」
「んー。」
流れるように掃除を始める面々。
「おい、どうした?なんかやばいもんでも見たか」
その中でぽかんとしていた愁人に、筍が呼びかける。
「いや、ちょっ、待って?これなにってツッコまないの?」
びっ、と謎の箱を指差してみんなを見渡す愁人。
「筍のだし危ないものではないだろ」
「捨てるもの集めといたとか?」
「あーね。」
各々が自分の見解を述べる中、筍が愁人と距離を詰めて口を開く。
「これはお前が置いていったゲームやら雑貨やらだよ!!!ちゃんと持って帰ってけこんちくしょう!!!」
と、言って肩を揺さぶった。
「えぅあぅえっあっえあぁぁぁぅぇぃぇぃ」
「…自業自得だな」
「同意」
「馬鹿だな〜…」
「なんとなくそう思ってた」
と、掃除を進めていたみんなが零す。
渉は、「ほらだから前も言ったじゃん愁ちゃん…」と云っていたあたり、恐らく3人でゲームしては筍の部屋に物をおいていったんだろう。
「これ、自分で運んで片付けろよ?」
筍が珍しく怒って話す。
「ちょっと怖い。」
「言うな、僕も思ってる」
こそっと話す透花と裕介。
その横から、美紀が大きめの声で
「でも次って愁人の部屋じゃないの?間に合う?」
と言い出した。
………………。
「あっ………あっ!!!!私これ片付けてきていい!?!?」
「ダメだちゃんと掃除終わらせてから行け」
焦りだす愁人に裕介が即レスで答える。
ピンポーン。
「……誰もいないわけないよね、今日掃除してたはず…」
わちゃわちゃと筍の部屋でやっている中、インターホンが鳴ったことには誰にも気づかなかった。