2話:部屋掃除-1
あくる日の夕飯後、いつもどおりに団欒していると、裕介から告げられた衝撃の言葉。
「来週に入居者来るから、明後日は部屋のために全員掃除すっぞ」
「え、無理」
「マジ!?!?」
「ヤダヤダヤダヤダヤダヤダ」
「もうそろそろか〜」
「ねぇまって聞いてないよ!?!?見せられないんですけど」
「ふ〜んおっけ」
「…うるせぇな一部」
いや、一部が静かすぎるだけなのだが。
尚、部屋数は足りないため今回からとんでもない事情でない限り二人一部屋である。だから、各々の部屋を掃除しなければならないのだ。
「来るの、誰?」
「言わないようにしてんのにわざわざ聞くやつがいるか」
「なんで教えてくれないの!!!」
「本人の意向」
「えぇ…………」
___ともあれ、2日が経ち…
「全員、道具は持ったな?」
「うぃす」
「おっけいよ〜」
「ん。」
「…」
「おい、一部返事。あと渉はゲームを1回やめなさい。」
「んぁごめんごめん。」
昨日、部屋を見られたくないであろう何人かが、帰ってきてからドタバタと片付け?をしていた。
どうせろくなことになっていないだろうと思い、覚悟してドアを開けた筍と裕介。
in透花の部屋
透花の部屋は、ずいぶんときれい………に見えるが、半開きのクローゼットの扉からヤバそうなものか見えている。
2人で顔を見合わせ、最後に回すことに。
机やベッドは上は多少散らかっているにしろ、周りは汚くない。特に問題はなさそうである。
……おそらく、クローゼットに全て詰め込んだのだろう。「はぁ…」と、なんともいえないため息を筍が吐く。
指示通り、一人分のスペースも空けてあったため、早々にクローゼットと対峙することになった。
「…なんだこのいらん物の集合たちは」
中にあったのは、お土産の箱やよくわからないプリントの一部だった。
「触らないでね!?!?みさちゃんからもらったり触ってくれたものたちだから」
「…そういうことかよ」
「あ、家麺のもあるよ!」
「こめんな、それを付け加えられてもやっぱりマイナスではあるんだわ」
頭を抱える裕介と、困り眉の筍。他の面々はあ〜…とでも言いたげな顔で見ている。
ヤバイ奴の片鱗はここにも有ったのだ。しかし、本人の執着度からすればどうしようもない。
「……ここには新村でもぶち込むか?無慈悲に捨てるだろあいつなら」
「それは流石に…」
「んじゃどうするよ」
透花含め、みんながう〜んと唸る。それもそうだ。量も何もかもえげつないがすぎる。
「………他に収納があればどうにかするよ!多分!」
「だってよ」
「わかった…とりあえずはそれで手を打とう」
収納を増やすことでどうにかなるのかは知らないが、透花の部屋は掃除を終了とすることにした。
このあと続くお話含め、掃除シリーズはルームツアーの一環だと思ってください。(伝わってたらいいな)