表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

1話:弁当の戦



「明日弁当いる人〜」


夕飯後、リビングで全員がダラダラしている後ろで、洗い物をしている裕介が声をかける。


「は〜い」


「私欲しい〜」


「寄こせですわ〜」


透花、美紀、筍が順に声をあげる。


「なんか一人生意気なのいたのでそいつはなしなのじゃ」


「誠に申し訳ございませんでしたぁ!!」


即謝る筍。やり取りを見ていた渉が口を開き、


「雑に仰々しいのなんなの」


と突っ込む。横で透花が大爆笑していて、なんだかカオスになってしまった。



「でもなんだろ、その状態で聞かれるのも悪いと思うよ」

「どういうことだよ」

「なんかお母さんみたい」


裕介は、シェアハウスを始めるときにも、今でも管理人のように動いてくれている。


ご飯は当番制にしているが、弁当は裕介が圧倒的に好評でずっと作っている。


サボりがちな瞳や透花に、ちゃんと教えるなんてこともしている。まぁ、家麺に生活スキルを求めてはいけないと思っているのだが。



「すでに管理人みたいなのによくやりますよね(笑)」

「殴っていいか愁人」


「お母さん兼管理人ってコト…!?」

「透花はちい◯わもすんなよ」


「ツッコミがさすゆう」

「わかる」

「あーそうですかさいですか」



くだらない会話だが、これが日常である。

「まぁ、筍は皮包みのチーズ焼きなしな」

「なんで!?!?!?」


「声デカッ…慈悲がないね」

「悪いか」

「よりにもよって一番人気を…くっ…」

「筍、骨は拾ってやるからな」

「大げさすぎるだろ」


明日の弁当は、余った分のチーズ焼き戦争になりそうだ。


_______その後。

「私食べたいんですけど」


「えっえっえっ私も!!!明日嫌いな上司と飲み会連れてかれるから」


「飲み会の話聞いてなかったし透花はなし」

「そんなぁ〜〜〜」


「愁人は…でも足してやる理由もないしな…」

「体でかいよ!!!成長期!」

「は、終わってんだろ。そのでかい身長に免じてブロッコリー追加な」

「酷い」


「ってことで美紀の朝ご飯に追加で出すよ。いい?」

「う〜ん……チーズなら、まぁ…」

「あれ、今減量期だっけ」

「ちがう!!食べるよ食べる!!!嬉しい!!」

「なら良かった」



「なんか…羨ましいな……」

「あと完全に裕介がお母さん」

「わかる」


「2人も減らされたいのか?」


「違う違う違う」


「渉助けて」


「無駄なこと言うからでしょ」


「無慈悲〜!!!」

「仲間意識を持てよ!!」


「ないよ。ていうか2人はそこで蹲ってる筍と仲間意識持ちなよ(笑)」


「「やめてそんな事言わないで!!!」」



「………うるさいし朝ご飯の黄身、めっちゃ固めてやろ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ