異世界の扉
茜と沙織は学校への通学路を足早に歩いていた。
「茜今日の試験科目勉強してきた?」
「あたしがするわけないじゃん!あはは!」
「えーたまにはやったほういいよ?
もう2年なんだし・・・」」
「そうだね~・・でもほら!もうすぐ冬休みだよ!
休みなったらいっぱいカラオケ行こうねー」
茜は勉強が苦手だったが、沙織は学年上位の成績だった。
「さむーい!」
「あ、そこ凍ってるよ・・・」と、茜が言いかけた時だった。
「キャーーーーーッ!」
突然、緑の閃光が雷のような音とともに走り、二人は目が眩んだ。
「な、なに・・・!?」
「おしり、痛い・・・」
衝撃音に驚いた二人は思いっきりしりもちをついていた。
徐々に見えてきた目を細めながら周囲を見渡すと、目の前に見知らぬ男の人が横たわっていた。
「だ、大丈夫ですか・・・?」
茜はおそるおそる声をかけて、体を揺すった。
男の人は黒くサラッとした髪で、長いまつげだった。
とてもキレイな顔立ちをしていたので、二人が見とれていると、男は意識を取り戻した。
「うっ・・・・ここは・・・
ハッ!フィリア姫!ご無事ですか!?」
男はサッと体を起こしひざまずくと、茜の頭から足までをじっと見て言った。
「姫!どうされたのですか!そのお召し物は・・・!」
「へ??」
驚いて固まった表情の茜を抱き上げて、男は颯爽と歩き出した。