表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/22

一分咲き

<プロローグ>



どこがいいかなあ


ここがいい


ここにしよう



一羽の小鳥が住処を求め急降下。


大きな桜の木に落ちつく。



よろしくね


ああ こちらこそ


僕よりも大きな鳥を見つけたら教えてね


分かった でもなぜだい


それは僕が…… 臆病だから 心配で心配で


分かった 教えよう それに近づかないようにしてあげよう


助かるよ それからおいしそうなモノを見つけたら教えてね


なぜだい


それは僕が食いしん坊だから


分かった 分かった 他には何かあるかい


それからそれから……



鳥の要求はどんどん増えエスカレートしていくばかり。


桜の木は対処しきれなくなり怒って静かになってしまった。


悪いと思ったのか鳥は懸命に言い訳をする。


それを繰り返すばかりで決して謝ろうとも反省しようともしない。


見かねた桜の木は睨みつける。


慌てた鳥は心を入れ替え許しを請う。


ごめんね でもこれだけはお願い あと一ヶ月は住まわせて欲しいんだ


分かったよ 私も一ヶ月もすれば……


ありがとう



こうして二人は仲直りをし新生活が始まった。


小鳥と桜の木の奇妙な共同生活。


ギャー ギャー


こっちに来るぞ隠れろ


大丈夫 こんなのヘッチャラさ


バカ


二羽のカラスに追い駆けられるがギリギリで振り切る。


ほらこっちにおいで


ハーイ


ギャーギャー


二羽のカラスがいつの間にか仲間を呼び集団で再び襲いかかろうとする。


桜の木は約束どおり天敵から小鳥を守ってやる。


ギャーギャー


痺れを切らしたのかカラスの群れは遠くの空へ飛び去って行った。


ありがとう 助かったよ


うん 気をつけるんだぞ



その後もカラスの群れに狙われること数回。桜の木の機転で危機を脱する。


しつこいカラスの群れは標的を変えたのか以降狙われることは無くなった。



ありがとう 本当に助かったよ すべて君のおかげだ


うんうん これからは自分で気をつけるんだぞ


えー


分かったな


ハーイ



こうしてゆったりした春の時間が過ぎて行った。


               続く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ