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第4話 放置プレイ?放置プレイですか?

「もーっ! 大翔はこんな可愛くて優秀な魔女と住めるっていうのに嬉しくないの!?」

「おいちょっと待て住めるってなんだ」

「だから、私もここに住むの!」

「ふざけんな帰れ」


 オレはソフィアを引っ張って玄関から出し、鍵をかけて入れないようにする。


「ちょっと大翔さん!? 大翔様っ! お願い開けて! 入れてよおっ!」

「断る! うるさいと警察に突き出すぞ!」

「そんなぁ…… 放置プレイ? 放置プレイですか?」


 可哀想なんて思ったら負けだ。

 相手は得体の知れない怪しいコスプレ女だし、何かの罠かもしれない。

 実は会社の奴らがどこかから見ていて、彼女に翻弄されるオレを見て笑ってるのかもしれない。


 そうか、きっとそうだ。

 考えてみれば、あいつはオレの名前を知っていた。

 マンガやアニメじゃあるまいし、家に突然見知らぬ女の子がいて、そいつがなぜかオレのこと知ってましたなんて現実で起こるわけがない。

 そもそもこのご時世に、大して知りもしない男の家に単身で上がり込むなんて不自然だ。


 ――くそっ! どこまでオレのこと嫌いなんだよ!

 退職に追い込んだだけじゃ気が済まないってか?


 ◆ ◆ ◆


 イライラしながらベッドに寝転がっていたら、いつの間にか眠っていたらしい。

 気がつくと、外はもう日が落ち始めていた。


 ――日が短くなってきたな。まあもう11月だしこんなもんか。


 オレは昨日の夜から干しっぱなしだった洗濯物を取り込み、買ってきていたパンを食べて、少し散歩に出ることにした。

 通勤がなくなった今、積極的に動かないと1日の大半を家で過ごすことになってしまう。

 あまり体力が落ちてしまうと、社会復帰したとき大変だ。


 オレは出る支度をして再び外に出t――


「ってうわっ! お、おまえこんなとこで何してるんだ」


 ドアの外には、壁に背中を預けて三角座りをしているソフィアがいた。

 追い出してからもう4~5時間くらい経っている。


「え、えへへ……」

「…………」


 もう11月だというのに、ソフィアは薄いワンピース1枚(と帽子)だ。

 そのため寒かったのかガタガタと震えている。

 それに泣いていたのか目も赤い。


「おまえ……まさかずっとそこにいたのか?」

「だって行くとこないし」

「会社のやつらに雇われたんじゃないのか? もう十分だろ」

「会社……?」


 ソフィアは何のことか分からない、といった様子でぽかんとしている。

 もしかして違うのか?

 じゃあいったいなんだ? なんでこんなにオレに執着するんだ?


「――ああもうっ! とりあえず中に入れ! 風邪ひくだろ馬鹿っ」

「えへへ、放置プレイはおしまいですか?」

「誰が放置プレイだ。追い出したんだよっ! 人を変態扱いすんな!」

「ええーっ! またまたーっ」


 こうして、オレは再びこの自称魔女を家に入れることになってしまった。

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