3話 デジャブ
ある日の昼休み、屋上で…。
「す、好きです!付き合ってください!!」
ーん〜、なんというか…デジャブ
そんな風に思いながら聴き流す…わけないじゃん!は?モテ期か?モテ期なのか?
「えっと、悪いんだが、俺にはもう付き合ってる人が居て、だな」
「知っています、ですが、ですが!好きなものはしょうがないじゃないですか。」
少しふてくされたように彼女、百瀬 香織16歳はそう言った。
ー叶わぬ恋をしちゃいました〜的なあれですか。なにそれ健気…。
「いや、でも、そうは言ってもだな。」
「私は諦めませんよ先輩!絶対に惚れさせてみせます」
「お、おう…?」
半ば押されるような感じで会話は終了した。
ーいや、百瀬さんも可愛いと思うよ?けどな、俺には小雪がっ小雪がッ!!いや、それよりなぜ後輩ばかりにモテるッ…。
誰にも聞こえない心の中で何かと葛藤していた。
そんなことはつゆ知らず、
「ここに来る時百瀬さんとすれ違ったけど何かあったの?」
そう言い小雪が屋上へやってきた。
「いや、なんて言うか。す、好きだって言われてさ、しかも小雪の時と同じセリフで」
「え!?百瀬さんが?」
「うん、断りはしたけど…」
「したけど?」
「あきらめませんからーって言われた」
「トールは私のだもん…」
と、小雪はいじけたような怒ったような感じで言った。
「分かってるって、俺は小雪のもん、小雪は俺のもんだ」
「〜///」
小雪の顔がかぁっと赤くなるのがわかった。
ー何この子可愛い
恥ずかしいセリフを自分で言ってることに自覚がない透であった。