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ダンジョンⅣ

奇声を上げながら部屋に突入した隊員は血走った眼に狂気を宿らせでたらめ射撃を始めた。


狙いを定めず発射された弾丸が石造りの部屋の中に銃撃の破裂音とあちこちに着弾し小さな火花と石が削られ粉塵が舞い上がるがしばらくすると銃の発射音は鳴りやみカチッカチッと弾の切れた銃の引き金を引く小さな音だけが支配した中、部屋の主たちが動き出した。


自分たちテリトリーを犯し血なまぐさい宴を妨げた愚かな侵入者に怒りが宿った眼差しを向ける何か言葉なのか鋭い牙の並んだ口を大きく開き吠えたていた。


そのうちの一体女性を組み伏せていた化け物が楽しみを邪魔されたことに怒りを滾らせ立ち上がり雄たけびをあげ飛びかかった。


2mを超えると思われる巨体に似合わずというべきか、異形の化け物にふさわしいというべきだろうか隊員との距離を一瞬で詰めナイフのような爪が並ぶ5本の指を飛びかかりながらすれ違いざまに振るった。


化け物の爪が隊員の頭をとらえる寸前にとびだした零が隊員を引き倒し九死に一生を得た零は即座に自分たちをすり抜けた化け物に反撃を試みようとしたが縺れた隊員が零の腕をいつの間にかにしがみつき身動きが取れなくなっていた。


「ぐっはなせ。」


「GRR?」


零は腕から隊員を引きはがそうともがくが隊員は嗚咽を漏らしながら必死に零にしがみつく一方化け物は獲物を仕留める感触がなかったことを不思議がるように自分の手を見つめた後振り返り仕留め損ねた獲物を見下ろす。


振り返った化け物の後ろ淡い光の届かない通路の先から音もなく銃口が伸び化け物の頭に触れる。


化け物が銃口の感触に気づき頭を向けるそこに目に映ったのは無機質な銃とその先に獲物を見つめる冷たい双眸だった。


「オープンファイヤ!」


涼がそう言い放つと同時に銃口からけたたましい破裂音が凶暴な旋律を刻み化け物の頭の上部の半分を削り取った。


「俺、生魚って苦手なんだよな。」


軽口をいいながら崩れ落ちる化け物から奥に居座る化け物へとターゲットを移し銃口を向ける。


仲間が倒されたことを認識した胡坐を搔いていた化け物は先ほどより大きく吠え傍らに転がしていた槍、反しが付いているので銛かもしれないがそれを持ち勢いよく立ち上がると同時に目にもとまらぬ勢いで涼めがけて投擲してきた。


涼は体を横に倒れこむようにして回避しながら引き金を引く銛が彼の体が在った場所を通り過ぎるすると後ろから「ぎゃっ」と小さな悲鳴が聞こえたが一瞬意識を向けるが即座に意識の外へと追いやった。


倒れこみながら撃ち出した銃弾は命中弾もあったが致命傷には至らず弾の当たった体の箇所を化け物は確認するかのようになでるとこちらをより一層怒気を強め睨み続けいるがこちらを警戒して慎重に間合いを測っているようだった。


「いつまで遊んでんだこっちを手伝え。」

 

涼は銃口と視線を化け物に向けたまま態勢を立て直しながら縺れたままの零にイラつきながら毒づき催促する。


「わかって・・・いる」


自身の腕にしがみつく隊員の顔面に拳を叩きこみ腕を引きはがすと隊員を蹴り飛ばす要領で距離を取った。


その刹那にもう一匹の化け物が先ほどまで2人がいた場所に落下の勢いそのままに銛を突き立てた。


化け物の攻撃を寸前でかわし零は背中からショットガンを抜き放ち化け物に向ける。


化け物は銛を持たない手を盾にするように前に出し零に向かっていこうとした瞬間、轟音が鳴り響くショットガンの銃口から白煙が昇り化け物の腕が途中でえぐり取られておりそこから人間の血よく似た色の血液が噴き出ている。


先ほどまでの5.56mm弾とは違い大型の獣の狩猟に使われるスラグ弾の直撃を受けた結果だった。


化け物は自身の腕が皮一枚で繋がっている状況を認識し痛みが襲ってきたのか目の前に敵がいることも忘れ苦しみ悶えだした。その隙を逃すわけもなく終わりを告げるように次弾を装填した。化け物は排出されたシェルが地面を打つを音を聞くことはなかった。再び轟音が鳴り響き頭部を失った化け物はしばらく痙攣を繰り返した後、物言わぬ肉塊へとなり果てた。


間合いを測る化け物に対して油断なく視線を向けたまま涼は自身の銃に意識を向ける。


今の弾倉にもう弾が残ってない張り詰めた糸のような緊張の中、弾倉を交換するタイミングを計っていた最中突然の轟音がその糸を切るきっかけになった。

 

化け物が放たれた矢の如く涼に迫る化け物は勝ちを確信した。


あの見えない攻撃が来ない目の前のニンゲンはまであとわずかこいつを殺したらどうしようか柔らかい部分だけ食ったら捨ててしまうか?仕留めるのに苦労したから首を仲間に見せびらかすのも悪くないそんな悍ましい思考を巡らせ化け物は違和感に気づく、届かない自身の爪がいや自分が止まっていることに気づいた化け物は久方れていた感覚、恐怖を思い出した。


化け物が自分に起きている異常事態に戦慄し慄いている中、涼は相棒がもう一方の化け物を片付けたのを確認し歩いて身動きを取ろうともがく化け物に近づく、一人でに銃のマガジンが外れマガジンポーチからマガジンが飛び出し見えざる手によって弾倉交換が行われた。


深井(ふかい) (りょう) コードネーム アシュラその名前の由来は自分の周囲数mに念動力による力場を発生させそれを見えない手のように扱うところからきている。


「たくっ臭いんだよ。」


涼はけだるげに吐き捨てトリガーに指を掛けた。





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