第6話「商店+魔導鉄道(前編)」
主)第6話です!今回も少し長めになっています。タイトルの通り交通改革に挑みます!
〜明後日〜
「はい、これが試作品だけどどうかしら?」
「イメージ通りです!ありがとうございます!」
「じゃあ、商業神に契約をしましょう」
と奥へ案内された
「こちらです」
そこには祭壇のようなものがあった
「契約書と試作品を奉納いたしますね」
と言い祭壇に置いていた。そしてパトレシアは呪文を唱えて
「手を」
と言われとをかざした
すると光が部屋を包み込んだかと思うとすぐに普通の部屋に戻った
「これで契約は完了になります」
「ありがとうございました」
「こちらこそ、面白そうな遊びを持ってきてくれて光栄です」
「では、また今度うまく纏ったら持ってきますね」
「ええ、いつでもいらしてくださいね」
と店を後にした
「フフ、面白そうな坊やだこと…この世の理から外れている…転生者かしら?…って事はこれも異世界の遊びなのかしらね…」
「どうしたんだ?パトレシア、何か深く考える事でもあったのか?」
「ああ、ナルク、来てたのね、ちょっと面白そうな坊やを見つけてね…これ、何か分かるかしら?色んな世界を遊び回ってる貴方になら分かると思ってね」
とカードを渡すと
「ああ、これは地球って惑星のトランプってカードゲームだな…最もメジャーなのはババ抜きって聞いたな…」
「そう、ありがとう」
「それにしてもいつまでそこにいるんだ?」
「そうね…ここの神と彼が何をするのかを見守ってからにするわ」
「そうか、俺は戻るぞ」
「ええ、じゃあ、またね」
「ああ、また今度な」
今日は父上に呼ばれました
「マスティア、国民の行き来が激しくなっている、そのため、新たな交通手段を用意するべきだと考えておってな…何かいい案はあるかの?」
「そうですね…こういった箱みたいなのを走らせるというのはどうでしょうか?」
「ほう?これはどうやって動くのだ?」
「これは『加速』『減速』『停止』『維持』の4つの魔法で制御されます。そしてこれらは全て自動で制御できるようになっています。そして、これには一等車、二等車、三等車という区別を付けようと思います。一等車は主に貴族用、二等車は主に商人用、三等車は主に一般向け用としたいと考えます。これらは乗り場を分け、通路も繋げず、そして、同じ運用に入るようにしています。」
「ほう、これは面白そうな乗り物じゃの、ふむ、これはお主に全て任せるとしよう、頑張ってくれよ」
「はい!」
とは答えたもののどうやって通すかだな…王都は広いし地下に駅を作ってしまえば良いかな?
今、構想しているのは魔石で動く列車、名付けて魔導列車と言ったところだろうか
とりあえず一旦目立たない場所から掘っていくか…と『隠蔽』の魔法を使って城壁の外に出ると、『認識阻害』で魔導列車用の用地を確保していき、そして、王都に広い用地もあったのでそれも確保しておいた。そして、駅のような建物を建て、中は一等車用乗り場、二等車用、乗り場、三等車用乗り場、と分け、そして、それぞれ専用の券売機を設けた。更に隣の村や都市とも繋げ、線路も繋げておいた。そして、試運転をすることにしたが車両をどうするかが決まっていなかった
「さてと、車両をどうするかだな…前の世界にあった車両をイメージすれば良いかな?」
と『創造』で車両をイメージした。
「うーん、車内は…そうだ、2ドアにして全車指定席にしよう!そして、こうしてこうしてこうやって…出来た!ラインカラーは黄色にしよう」
と一等車用、二等車用、三等車用、全ての車両が出来上がり、種別は普通と快速、そして特急を設けた。
普通は二等車と三等車のみが運用に入る。これは色々な村に停車するからだ。快速は全ての都市と一部大きな村に停車するので、一等車、二等車、三等車が運用に入る。特急は主要な都市にのみ停車するので主に商人が使う事を想定して一等車、二等車が運用に入るようにして、二等車の割合を大きくした
普通:二等車、二等車、三等車、三等車、三等車、三等車
快速:一等車、一等車、二等車、二等車、二等車、二等車、三等車、三等車、三等車
特急:一等車、一等車、一等車、二等車、二等車、二等車、二等車、三等車
といった感じにしてみた
とりあえず、東西に伸びているから東西線とでもしておくか
「父上、1路線だけですが完成致しました」
「ほう、そうか…案内せよ」
「はっ」
〜王都中央駅〜
「ほう、これがそうか」
「はい、ここが乗車券売り場になっています、全車指定席にすることで全員が座れるようにしました、一番本数が多いのが快速、次に特急、そして普通が一番本数が少なく設定してあります。これが今回出来た東西線の路線図になっています」
「ほう、これはかなり広い範囲を走るのだな」
「実際に乗ってみましょう、今日は実際のダイヤでの試運転を行っています。そろそろ快速列車が来ますね」
しばらくすると接近チャイムが鳴り
『まもなく、一番線に快速、サリオン行が参ります。この列車は1、2号車は一等車、3から6号車は二等車、7、8、9号車は三等車となっております。次は、王都東駅に止まります。』
「あ、もう来ますね」
「ほう…こういった案内もされるのか…」
「はい、また、ホームにもドアを設置することで転落事故防止にも繋げました。また、車両にも特徴があります。車両にはどんな攻撃・デバフ魔法も無効化する付与とどんな物理攻撃を無効化する付与をしました。」
「という事はほぼ無敵…という事か」
「はい、ドラゴンや魔王の攻撃にも耐えられますね」
「な、なんということだ…」
「では、早速乗り込みましょう」
と乗り込んでしばらくすると
『一番線から快速、サリオン行が発車致します。閉まるドアにご注意ください」
とドアが閉まるとすぐに動き出した。そして
『本日もアールスカイド王国鉄道、東西線をご利用いただきまして、ありがとうございます。まもなく王都東、王都東駅に到着致します。クリーハン商会、カルネ商会、冒険者ギルドをご利用のお客様はこちらでお降りください。王都東駅の次はメルクトラに停車致します。途中のパイラ、サトリカ、パトランをご利用のお客様はお乗り換えです』
とアナウンスが入り、すぐに王都東駅に着いた
「ここが王都東駅になっております。こちらも中央駅とは設備は大して変わっていません」
と簡単な紹介をするとまた列車は動き出し
『本日もアールスカイド王国鉄道、東西線をご利用いただきまして、ありがとうございます。次はメルクトラ、メルクトラです。メルクトラの次はサタールに停車致します。途中のサリフォン、カタリスをご利用のお客様はお隣一番線から発車致します。お出口は右側です。』
「次のメルクトラまでは時間がありますしこちらへどうぞ」
「あ、ああ」
「こちらが一等車になっています。一等車と二等車には食事のサービスを三等車には軽食のサービスを設けています。そして、一等車、二等車、三等車のそれぞれ一両にはお手洗いが備え付けてあります」
「ほう…長距離で乗る人向けになっているという訳か…」
「はい、今はパイラを通過している所ですね」
「かなりいい景色をしておるの…」
「一応明日の開業を目指していますので」
「そ、そんなに速いのか」
「既に試運転は何回か済ませておりますし、友人にも乗ってもらいましたから」
「総距離はどのくらいなんだ?」
「そうですね…サリオンからカーリストロまでなのでざっと1000kmくらいでしょうかね」
「端から端まで通っているのか…」
「現在は東西線のみが完成していますが、南北線と王都地下鉄、そして外環線が開業予定です」
「そんなに計画があったのか…」
「東西線は黄色のラインカラーですが、南北線は緑、外環線は青のラインカラーになっています。王都地下鉄は1号線、2号線、3号線、4号線まであり、1号線は水色、2号線は赤色、3号線は黄緑色、4号線は紫色のラインカラーになっていて、これが全てを合わせた路線図になっています」
「これは…」
路線図を渡すと王都は全てを網羅し、王国を十字に鉄道網が通っていた
「更に、ここからここ、そしてここからここまでの路線の計画がたっていて、ここの路線は観光用特急を走らせる予定でいます」
「観光用…なるほど…ここは海沿いを通るのか」
「そういう事です、まだ目的の駅までは時間もありますし、昼食でも取りましょうか」
「ああ、そうさせてもらおうかの」
と席に着くとメニューを取り、バターチキンカレーとナンのセットを頼んだ
そしてしばらくするとバターチキンカレーとナンが届いた
「おお、これは列車内で作っているのか?」
「はい、一等車と二等車の中間にある空間で作っているんです。」
「そんなスペースまで確保してあったのか」
「はい、一等車と二等車の間を空間魔法で拡張した上で調理スペースを設置しました」
「く、空間魔法…」
あ、やべっ、この事誰にも話してなかったんだっけ
「おーーー、息子がこんな事ができるようになっておるとは、将来も安泰じゃの〜」
あ、思ったより緩かった
『まもなくサトリカを通過いたしますがここで進行方向が変わるため、一時停車致します。』
そう…サトリカは山の途中にある村なのでスイッチバックをして山の上にある都市メルクトラを目指す
「ここがサトリカ…か…」
「はい、サトリカは急勾配にある村なのでここで一旦折り返しを行っています」
「動き出したな」
「パトランの村はすぐ近くにあるのでメルクトラはもうすぐですね」
『まもなく、メルクトラ、メルクトラです。メルクトラを出ますと次はサタールに停車致します。この列車は三番線に停車致します。通過駅をご利用のお客様はお隣四番線の列車をご利用ください』
「そろそろメルクトラですね」
「メルクトラと言ったら山の街で更に言えば、王都から2日はかかるはずじゃあ…」
「そういうのは気にしたらダメですよ」
「そ、そうだったな…ここまで何時間なんだ?」
「大体30分ですね」
「そうか、そうか30分か…は??」
「はい、30分です」
「あー、うん…2日が30分…」
と死んだ魚のような目をしていたが
「まあ、可愛いからなんとも言えんな…」
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