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ミステリーからの密林

 そしたらマオが青ざめて、ビビった顔になってやがる。

 ボンボンどもがそれを見て、「どうしたんですか」っつって、分かっちゃいねえもんだから、説明するかしねえのか、どうするべきか考えたよな。

 ってえのもダンジョンではよ、イレギュラーが命取り。

 だからなるべく平常心で進みてえもんなんだけど、ヘタに情報与えたらばよ、ボンボンたちがどうなるか、どういう行動しちまうか、分かりゃしねえもんだから、黙って行こうと思ったな。

 ってえのも、知恵のあるヤツ、支配者が、ゴブリンどもを統率してる。

 これはほぼほぼ確定で、ちょいと不穏な話だからよ。

 そしたらマオがよ、青い顔して、俺にヒソヒソ話しかけやがる。「ディーさん、ゴブリン太ってる。 あれって絶対マズいよね」ってなもんで、マオは頭が回るから、俺もコイツにゃごまかさねえで、言わなきゃなって思ったな。

 ここで話さずごまかしたらば、マオはもっとカタくなって、普段の力は出せねえだろな。

 けれども今の時点でも、ビビりすぎなもんだから、俺は「落ち着け、問題ねえよ」なんて言ってよ、マオにはよ、「ボンボンどもを抑えとけ。 変な動きしなきゃあよ、俺が何とかするからよ」ってなもんで、俺が本気を出したらば、どんだけすげえかなんてのは、マオは知るわけねえけども、ちょっと落ち着いたんだよな。

 これなら言っても大丈夫だろ、なんて思った俺はよお、「おめえだけには言っとくぜ」なんて言ってよ、そしたらマオも、「うん」っつってよ、目が真剣で、「食糧ぜったいいっぱいあるよね、体が出来てるゴブリン多いし」なんて言ってよ、すかさず続けて、「食糧いっぱいあるならさ、餓死するゴブリンいないんじゃない? これってぜったいヤバいよね? ゴブリン増えまくるんじゃない?」ってなもんで、険しい顔で、なかなか鋭いもんだから、逆にイラッとした俺は、「ヤバくねえよ」と言ったんだけど、マオはもっかい青ざめちまって、「ヤバいよ!」なんてデッケェ声を出しやがる。

 俺はすかさず「声がデケェよ」なんて言って、声のトーンをまた下げさせた。

 ボンボンどもまでビビっちまって神経余計にすり減ったらば、進むの遅くなっちまうし、今のマオみてえによ、パニクっちまうとめんどくせえ。

 だから俺はよ、マオに向かって「ヤバくねえ」って言うんだけども、マオはもう完全に、ビビっちまってるもんだから、「ヤバいよ」なんて言いやがって、そっからはもう、「ヤバくねえよ」「ヤバいでしょ」「ヤバくねえって」っつって、そいだらマオがあの野郎、「ディーさんのケツアゴぐらいヤバいって」なんて言いやがる。

 おめえソコはイジるなよ、ってなもんで、俺は開いた口が塞がらねえし、ゲンコツ食らわしてやりたかったけども、グスマンの教育に悪いもんだから、そこはグッと我慢して、「俺のケツアゴはヤバくねえよ」っつって、話し合いで解決しようとしたよな。

 でもマオが「ヤバいよ。だって割れてんじゃん」なんてサクッと言いやがったから、俺もとうとうしらをきって、そっからはもう水かけ論で、「割れてねえよ」「割れてるよ」「割れてねえって」「割れてるじゃん」「割れてねえだろ」「割れてるから」「割れてねえなあ」「割れてるから。 だからケツアゴって言うんだよ」「うるせえよ」ってなもんで、まあ引き分けだな。

 そんなこんなで、マオの調子も戻ってきて、一息ついたもんだから、「おめえはらちがあかねえや」「らちがあかないのはディーさんじゃん。 ケツアゴなのに」ってなもんで、「何をう」っつって顔を突き合わしたらば、グスマンが「まーま」っつって可愛い声で、俺とマオが同時によ、「あらかわいい」っつってよお、グスマンの顔を見たもんだから、グスマン、キャッキャ言い出しちまって、マオの表情柔らかくなって、「しっかりしなきゃダメだよね、グスマンちゃんの為にもね」なんて言って笑ったからよ、どうやら大丈夫(ダイジョブ)そうだなあ、なんて思った俺はよお、「そうだぜ、グスマンいるんだからよ」つって、そうだ、そうだよ、俺たちは、グスマン育てるチームだぞ、パートナーだぞ、ってなもんで、そっからザンザン歩きながらよお、マオにはちゃんと話したよな。「ニオイ対策が出来て、食いもん供給出来るのは、それなりのヤツが支配者だ」っつって、色々説明しながらよ、支配者の正体を、ああでもねえ、こうでもねえ、喧々諤々(けんけんがくがく)話しながら、来た道戻っていたらばよ、いつの間にか俺たちは、ミノタウロスを倒した場所まで戻ってきてたんだけれども、そしたらミノの死骸がよ、きれいさっぱりなくなってやがる。

 だから思わず「う~わ、ミステリ~」「やめてよ、何でそんなこと言うの」っつってマオがまた青ざめた。

 そっからしばらく怪談的な雰囲気出して、「いやだな~、怖いな~、ミステリーだな~」なんつって、マオが怖がる様に話引っ張ってたんだけども、そしたらマオが、本気でビビり始めちまって、何だか俺まで背筋が寒くなってきた。別に俺はビビっちゃいねえが、マオが可哀想なんで、しょうがねえから俺もよお、神経研ぎ澄ませてやって、本気の警戒モードでよ、あちこちくまなく見ながら進む。

 そいだら滝の中によお、うっすら何かが見えやがる。何だ?と思って顔突っ込んだらば、そこにあるのは洞窟よ。

 来る(とき)ゃあ目に入らなかったが、洞窟内に入ったらば、結構な風が吹いていて、花の匂いを運んできやがる。

 こりゃあ外に繋がってる、なんてこともあるもんだから、「行ってみるか」っつってよお、滝の向こうのその洞窟を、じっくりひっそり行ったよな。

 別にビビっちゃいねえがよ、ビビっちゃいねえが、その、何だ。……そんでしばらく進んだら、これが一旦外に出た。

 辺りは植物茂ってて、密林みてえになっていやがる。

 そんでそこらの木はどれも、実やら花やらついているから、実り豊かな食糧庫よ。

 これ見た俺とマオはよお、これがほんとに驚いて、声を揃えて「司祭(ドルイド)だ!」ってなもんで、色々合点がいったよな。

 司祭(ドルイド)ってのはよお、植物操る補助職よ。

 駆け出し司祭(ドルイド)ならばよお、草を敵に絡めるだとか、微々たることしか出来ねえし、一見地味な職なんだけど、極めりゃなかなか面白え。

 木々を魔物(モンスター)化させて、戦闘させたり使い魔にしたり、草木を束ねて、シェルター作って休んだりと、用途は無限に広がるわけよ。

 だから手練れの司祭(ドルイド)は、パーティにいると、これがほんとに面白えけども、なかなかいねえレアな存在。

 そんな手練れの司祭(ドルイド)が、こんなところにいやがるとはな。

 しかも相当すげえヤツ。

 何でこれが分かるかっつーと、この密林の規模がよお、とてつもない広さだからよ。

 ゴブリン増やした方法は、こりゃあ単純明快だけど、とんでもねえ方法なのよ。

 どういう方法かっつーと、密林丸ごと操って、食用の実をゴブリンどもに、モリモリ食わせて育てるわけよ。

 司祭(ドルイド)がこのダンジョンの、ボスに君臨したのがよお、分かるのはよ、他にも理由があるからよ。

 これはほんとに間違いねえよ。

 だから俺はよ、密林をザンザン歩いて進んだらば、マオたちも後をついてくる。

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