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第五十八話 凶終隙末《きょうしゅうげきまつ》

長らくお待たせしました。

最終話まで、いっきにUPします。

「全員、死んでもらおう」そう言ったトゥモローは「おまけだ。冥土の土産に聞かせてやろう」と、自分の身に起こったことを、一から順に長々と話し始めた。


「地球で金が尽きて生活に困っていた頃に、俺にコンタクトを取ってきた奴らがいたんだ。そいつらが言うには、自分達は未来の地球人だってさ……」


 今から80万年後の未来、地球では壊滅の危機を迎えるらしい。

 もちろん原因は我々の祖先、人類そのものだ。

 異常気象、パンデミック、食料危機、核戦争、あらゆる人災を乗り越えつつ、80万年もよく持ったものだろう。

 移り住める星を探していたそうだ。

 すぐにこの惑星パストが見つかった。

 今でこそ、この星はモンスターが蔓延《はびこ》り、町の外を自由に歩けないような世界だが、80万年後の未来、地球人によって発見されたこの星は、地球人にとって住みやすい星に改変された後だった。

 その後、間もなくして、未来の地球ではタイムマシンが発明される。

 タイムマシンの実現には80万年もかかるらしい。


 そのタイムマシンによって過去は変えられない。

 というより、タイムマシンによる過去の改変が折り込み済みの未来になっている。

 地球人が惑星パストを発見した時点で、すでに自分達の住みやすい星に改変されていたのは、そういう理由らしい。

 早速、完成したばかりのタイムマシンの技術を使って、我々の祖先はその未来を現実のものとするべく、過去に戻って惑星パストの改変に取り組んだらしい。


 タイムマシンも万能ではない、過去の改変が折り込み済みの未来になっているということは、結局過去は変えられないということだ。

 特に、生き物の生死にかかわる直接的な行動は未来人にはできない。

 直接殺すことができないのだ。

 同じ時代、同じ時を生きるものにしかできない。

 そこで、俺たちの登場というわけだ。

 その時代、その年の地球人を召喚して、その時代を生きるモンスターを減らしていく。

 80万年計画だ。

 気の長い話だよな。

 そうやって、この星に住むモンスターを減らしていって、同時に、地球の動物を持ち込むわけだ。

 人類ってなにも学んじゃいないよな。

 外来種は生態系に良くないと相場が決まっているだろうに……。

 すでに、この星のとある場所では、地球の牛や豚の飼育が始まってるんだぜ。

 80万年も経てば立派なその星の固有種ってわけだ。


 少し話がずれたな。

 話を戻そう。

 動物だけでなく、地球人もこの星につれてきている理由は、なにもこの星のモンスターを減らすことだけが目的ではない。

 今はまだ始まっていないが、この星の住人を減らして0にする計画がある。

 地球人がとって変わろうとしているんだ。

 そういうことをしていると、計画に異を唱える正義感ぶった地球人も現れる。

 お前達のようなな(・)……。

 そういう輩《やから》を排除するのが俺の役目って訳だ。

 見返り?安全の保障と金だよ。


 お前達は俺には勝てない。

 全員ここで、俺にぶっつぶされるのさ。

 未来ではそういう風に決定されている。

 そして俺は莫大な金を得て地球に戻る。

 これも、未来での決定事項だ。

 未来によって、俺の安全はすでに保障されているんだとよ。

 本当は、このドラゴンでお前達を殺《や》るはずだったんだが、足をやられてしまってはどうしようもない。

 こいつ、良くできてるだろう?

 ロボットだよ。

 存在するはずもない生物だが、まるで本物みたいだろう。

 まあ、火を吹いたりしなければもっとそれっぽいんだけどな。

 基本的には乗って操作するんだが、遠隔操作も一応できる。


「さぁて、話は終わりだ。カムトゥルーの次は誰だ?回復要因をまず消すか?」

 そう言ってトゥモローはマリの方を向き剣を振り上げた。

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