始まりの旅
まさやは両親を連れていかれ、旅に出る決心をする。
「確か、うちの顔は世の中だと異常な長さってママが言ってたな。どうやって隠そうか…」
まさやはメアリーの私物のフェイスマスクを見つける。
「くそっ、これだと顔の曲線が浮き出ちまう。マフラーであごを隠すか?でも…隠れきらないよな…」
まさやはあることを思いついた。
「あっ!うちがえげつない程の冷え症っていうことにして、イスラム教の人みたいな格好をすればいいんだ!」
まさやは早速顔を隠すベールを作り、ベールの色にあった服を着る。
「くぅ!この透け感がたまんねぇんだよな!だけど、まだバレる可能性があるな。」
まさやはベールの下にフェイスマスクをかぶった。
「これで取り敢えず右に進んどけばいっか!」
そうしてまさやの旅が始まった。
まさやは今まで、母乳を飲ませるのがキモイからという理由で、牧草を食べさせられていた。
「くそっ、うちの牧草と雑草とだと、味のランクが全然違う!まずっ!」
家を出てから10日程度経つが、一向に人の気配が無い。
ズドッ
突然、空から50°の角度で地面に突き刺さってくる人影が見えた。
「ふむ、1キロぐらいか…うちの脚力だったら一蹴りで行けるかなっ。」
まさやはあごを地面に押し当てたかと思うと、姿を消した。あごを刺していないと、制御が効かないのだ。
村人A「あらっ、旅のお方?」
「そうですね。すいません、近くに村は無いでしょうか?」
村人A「ひどいわぁー、私、空から降ってきたのに、心配してくれないのぉ?」
「近くに村はありませんか?」
村人A「ちぇっ、釣れない男ね。…男よね?」
「近くに村はありませんか?」
村人A「あるわよ、でも、あなたのそのオーラ…村に行く途中に魔王が住まう城があるんだけど、今のあなただと目を付けられて、殺されるわね。まず、四天王を倒して、力を付けなさい。」
「まじか、その四天王はどこに?」
村人A「北の森の中の宮殿にいるわ。」
「さんきゅな。」
村人A「あばよ!」
そしてまさやは北の森へと向かうこととなった。