急成長
「あだだだだー!」
まさやは奇声を発しながら暗闇へと吸い込まれていった…
「うしっしっしっ」
「ん?まさやの声が聞こえたような…」
ベンが視線を声がした方に向けると、そこには地面にあごを突き刺しているまさやがいた。
「なんというスピーディな仕事ぶり…
俺の16倍の速さで土が耕されている!」
そうして大きな牧場が出来上がった。そしてベン一家はこの牧場を〝katoo牧場〟と名付けた。
「ん…あれ?俺は一体何を…」
「あなた!びっくりしたのよ。まさやが朝になってあなたをあごで運んで来るんだもの。」
「そうか、まさやのあごパワーに驚きすぎて気絶してしまったのか。」
「あなた…このあご、すごい力だと思わない?1度どこまでの重さに耐えられるか試してみましょうよ。」
そうして一家は牧場の開けた場所へとやってきた。
「まずはそこに落ちてた15キロのダンベルをあごに乗せてみましょう。」
まさやは軽々と持ち上げる。
「予想以上だな…次は俺が乗ってみるか!俺は87キロだから、もてたら結構すごいぞ。」
まさやはベンさえも軽々と持ち上げる。
「oh......どうする、まさやって生まれて1日で首が座ってたからおかしいとは思ってたけど…」
「待って、生後1ヶ月で今この子何キロあるの…?」
「量ってみるか、…ん!?重い!重すぎる!」
ベンがそう言った途端、まさやの体が急成長を始める。
ボギッボギボギボギッ
まさやの立っている地面が窪み、あごが1センチ縮む。
そうして、まさやは15歲ほどの青年の姿となった。と言っても、言語レベルは赤ちゃんの時のままだが。
「あだっあだぶだむ…(パパ、ママ、僕こんなに大きくなっちゃった…)」
「この子、本っ当にすごいわ!」
「なんて言ってんのかわかんないけどな。」
そうして一家は仮設テントへ戻り、小さなパーリィを開いた。