家族会議
ベン、メアリーたちはやってきた場所に、
あごータウンという名をつけた。
「やだ、あなた。今まで顔の長さに驚きすぎて、この子の名前を決めてなかったわ!」
「俺、実は前からこの名前にしようって決めてたんだ!」
「What is this?」
「こんなところでイケボ出すなよ…
それでな、゛まさや゛にしようと思うんだ。」
「What? Why do you think so?」
「まはまっすぐ、さは笹のように、やはなんとなくつけた。どうだ?」
「いいんじゃない?」
そうしてこの子供の名はまさやとなった。
ベン一家はかつてない危機に陥っていた。スモールタウンでは貴族のような暮らしをしていたが、あごータウンではほとんど自給自足。
メアリーは一瞬まさやを食べてしまおうか…と考えたが、すぐにその考えを打ち消した。
(私たちの愛の結晶を食べようだなんて…なんて恐ろしいことを考えてしまったのかしら)
「どうしたメアリー?顔色が悪いぞ?」
「わたし今すごく恐ろしいことを…」
「そうか、今日はゆっくり眠りなさい、俺が畑を耕しておくから。」
そう言ってベンは仮設テントの外へと出ていった。
「なんて優しい人なのかしら…この子もあんな風に育ってくれるといいわね。おやすみ、まさや…」
「あだだだだー!」
まさやは奇声を発しながら外へと飛び出して行った。