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プロローグ
時は小顔時代!顔の平均サイズ約1センチの時代に、新たなる風が吹いた…
「やだあなた、この子の顔…」
「シっ!そんなこと言うんじゃない!」
「でも…」
「例え顔の長さが約1m60センチでも、俺たちの子供だろ?」
「やだっ、こんなの産んだ覚えないわ!」
この会話をしているのは、小顔の精鋭たちが集まるスモールタウンの、より小さい顔の持ち主のみがなれる゛small face゛の称号をもつ夫婦の夫をベン、妻をメアリーといった。
「顔の小ささで位が決まるこの時代に…
なんて顔の大きさなんだ」
「こんな顔の大きさの人が身内にいるだなんて知られたら、奴隷になっちゃうわ…」
「メアリー、例え俺らが奴隷になったとしても、この子が俺らの愛の結晶なのは変わりないだろ?」
「確かにそうね…奴隷にされる前に、誰もいない所に逃げて暮らしましょう!」
そして一家はあるタウンへとたどり着いた。
タウンというのは名ばかりで、パンパのような平原だ。後にこのあごータウンを中心に波乱が起きていくことになる…