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第1話 孤児院から追い出される!?

私の生まれて初めての小説投稿になります。

拙いかもしれませんが、よろしければご覧ください。

ついにこの日がやってきた!

私が孤児院を出てバラ色の人生を手にする第一歩、今日はその初日になるんだ

皿洗いも草むしりももうゴメンだよ。私は今日から冒険者なんだからね!


本当は華やかな見送りになるはずだったが、実際は頭部の痛みと罵詈雑言によって飛び出したようなものだ。 まぁいい、心機一転切り替えよう。少々くたびれているが愛用の刀を腰に挿した私は意気揚々と近くの街へと歩み始めた。


私の名前はマヤというらしい。らしいというのは私が生まれて間もなくこの片田舎の古ぼけた孤児院に捨てられていたから。マヤという名前は拾われた時に私の服に書かれていたそうで、そのまま私はマヤとして孤児院で暮らすことになった。


そして物心ついた頃から今年12歳になる今までの間、まさに馬車馬のようにこき使われてきた。これは私がいじめられていたとかではなく、20人程いる孤児院のみんなが須らく働かされていた。


孤児院は元々寄付や卒院した孤児のささやかな仕送りでなんとかやりくりしていた。面倒を見てくれる牧師様も教育は厳しかったけど、時には優しい面もあった‥と思う。


ただ、私のような可憐な子に、ちょっと髪の毛の量が少ない牧師様へとりもちをぶつけるイタズラをしたんだけど、あの時は裸で倒れるまで孤児院の周りを走らされた。あれだけは許してはいけない過激な制裁だ!


そりゃ私は貴族のお嬢様みたいに煌びやかな容姿じゃないよ?けど、これでも孤児院じゃ男の子たちにはまあ、黙ってれば可愛いんじゃない?くらいには言われてるんだからね?口や手が先に出ちゃうのはご愛嬌だよね。


話が逸れたから戻すけど、そんな感じで楽しくやっていたんだよ。けどここ2、3年で魔物達がものすごくたくさん現れたみたいで、牧師様は大いなる災いの前触れとか言ってた。それで今まであった寄付や仕送りはぱったりと無くなってここ最近は食べるのも厳しくなってきたんだ。


そこで私の出番ってわけ!幸運なことに私は剣技の才能があったみたいで、たまに来る冒険者の剣士が監督する護身術の授業とか孤児院では誰よりも剣をうまく扱えたし、力も強かった。なんでかはわからない、あと乙女の私としては、力が強いのは恥ずかしいからなるべく知られたくないんだよね‥‥。


だけどそのおかげで私も冒険者としてひと旗あげれる可能性が浮上したんだから魔物様様かも知れない。

牧師様や私に懐いていた子達はすごく反対したんだけど、孤児院の逼迫した経済状況を鑑みて最終的には許可がでた。


その後はトントン拍子に事が運んで、まずは近くの町のファルスに向かい冒険者として登録すること、私は女の子なので男の誘いに簡単に乗らないこと、すぐに手を出して喧嘩しないこと、神さまに毎日祈りを捧げること、すぐに手を出して喧嘩しないことをキツく牧師様に言いつけられた。なんか二回同じこと言われなかったか?


そしてこの時の私は自分の黒髪が背まで達していたので、邪魔になるからと牧師様に肩口あたりまでハサミで散髪してもらった。なんか手が震えてたような気がして怖かったんだよね。


その後は牧師様から神さまの祝福の言葉と別れの挨拶


「マヤ、くれぐれも気をつけるように。お前は先走ってばかりだから心配でたまらんよ。冒険者ギルドへの私の紹介状は持ったか?あと、拾い食いはするなよ?

魔物もこの辺りはまだ少ないが油断はするな。それから‥‥」


「牧師様長いよっ!もう適当でいいじゃん


別れの挨拶の長さに私や後ろにいる見送りの子達も呆れていた。ほっとくといつまで話すかわかんないよっ!


「お前を心配して言ってるんだろうがこの阿呆!」


ゴチンと私の頭にゲンコツが落ちた。いったあああい!手が早いのは牧師様のほうじゃんか!可憐な乙女に鉄拳とか、これで神さまに仕えてるなんて信じられないよっ!


そして頭をさする私に近づき、牧師様はそっと私を抱擁し


「本当に気をつけるんだぞ?私はもう何もしてやれんが、毎日マヤの無事を神に祈っておるからな。お前はガサツで短気でバカだが‥」


「うん‥‥て、誰がガサツで短気でバカだこのっ!」


このジジイ!せっかくの私の晴れの舞台になんてこというのよ!私のどこがガサツで短気でバカなのよっ!


「聞けっ!だが‥‥マヤは私のかわいい家族だ。だから絶対に無茶はするな、臆病者と呼ばれたとしてもマヤが生きているなら私はそれだけで幸せだ。」


「‥‥牧師様」


こんな最後だけいいこと言っても締まらないんだからねっ!と私は言いたかったが何故だか涙が止まらなかった。


いよいよ私が孤児院を出ようとした時、大声によって私の足は止められた。


「マヤおねーーちゃーーん!」


あの子は居なくなった私の部屋を掃除してた子だよね?なんだろう、あ!もしかして隠してたお菓子みつけたのかな?全部このリュックに入れたと思ったんだけど‥‥まだあったのかなぁ〜。


「はい、これ忘れものだよ?」


なんだこの紙切れは?なになに、ファルス街冒険者ギルドの紹介状?あ、これってもしかして‥‥私は牧師様を横目で見ると、牧師様もこれが何の紙か気づいたらしく、一瞬で顔が真っ赤になって湯気まで出だした


「マヤ、お前というやつは!!あれ程忘れ物はないかと確認したのに、この馬鹿者がああ!!」


「ぎゃああああ!」


鬼の形相で私を追いかける牧師様に私は全速力で逃げ出した!

はあはあはぁ、なんて門出なのっ!?ブツクサ言いながら私は逃げることに集中した。


ようやく、撒いたかなぁ?もう孤児院は見えないし牧師様もいない。 これから一人か‥ってやめやめ!俯くなんて私らしくないよっ!何たって今日は記念すべき私の華麗な人生の幕開けの日なんだからっ!


そして冒頭に戻り私は街へと進んだ。


「ふー結構歩いたかな?街はもうすぐだと思うんだけど」


近くの街ファルスは孤児院から道なりにゆっくりでも大体半日で着く距離だ。年中温暖な気候で水も豊富だから貧しくてもそれなりには暮らしていける。


近年の魔物増殖もまだこの辺境までは届いてないらしい。

けど、都会やもともと魔物の多い地域はかなり被害に遭っているみたいだ。私も聞いただけでよくわからないけどさ。


魔物かぁ〜孤児院に来てた冒険者の剣士が言うには小さいのは人間の子供くらいから大きいのは教会の建物くらいの奴もいるらしい。人の言葉を話す頭がいいのも存在するとか。


まだ私は魔物を直接見たことはないけど、私でも小さいやつは倒せるくらいだって言ってた。

いや、私は勝ち組になる女だよ!教会よりデカイやつでも私が倒してやるさ!


気分が良くなった私は鼻歌を歌いながら街に向けて歩いていると、陽が傾いた頃にようやくそれらしい建物の集まった場所が見えてきた。


「おぉ〜これが街かぁ!!すご〜い、建物いっぱいだし人もたくさん歩いてるよ!」


実は私は孤児院から出たことは一度もなかったんだよね〜だからこれが初めての私の街デビューなんだ。

牧師様はたびたび買い物とかで来ていて、手伝いの子とかも連れたりしていたけど私に声がかかることは一度もなかったんだよね。


多分私がかわいくて田舎っ子だから街に出すのは心配で仕方なかったんだろうね。この街には千人くらいの人が住んでるって言うし、しっかり警戒しないとね。


街の入り口に着いた私は早速門をくぐって中に入った。門といっても都会のように兵隊がいるわけではなく、ただ街の名前が書かれた案内板のようなものだった。



街の中は農作業を終えたおじさん達や夕食を買うおばさん達、あとはごはん屋さんの人が忙しそうにしている。

なんかいい匂いもしてきたなぁ〜。なんだろう?と私は自然とその匂いがする方向に吸い寄せられていた。


「いらっしゃい、お嬢ちゃん!ウチの串焼きは絶品だよ!どうだい一本!」


お店のおじさんは串にお肉を刺したものを焼いてそれを売る人みたいだ。でもお肉だけでこんないい匂いでないよね?


気づくと私は牧師様に大切に使うように言われたお金を払って串焼きを食べていた。


「おいひー!もぐもぐ。おじさん!このちょっと甘いのってなんなの?」


お肉が柔らかくてプニプニしてるのもだけど、何よりこの甘ーい茶色の汁に私は感動していた。


「がはは、お嬢ちゃんわかってるねぇ?こりゃ、俺自慢の秘伝のタレさ!甘さが肉に絡みついてうめーだろ?」


「うん、すっごくおいしー!」


孤児院では薄味ばっかりだったから、こんなに甘くて濃くてトロッとしたのは初めてだよ!街最高じゃんか!

あっという間に串焼きを食べた私におじさんはちょっと心配そうに聞いてきた。


「うまそうに食ってくれたのはうれしいが、お嬢ちゃんそろそろ夕飯じゃねーのか?晩飯食わないとカーチャンに怒られるんじゃないか?」


はっ!?おじさんの言葉に夢見心地の私は我に返った。何やってんのさ私は、まずは冒険者ギルドに行って登録しないといけないのに!

しかもその後の宿も考えないとダメなのにもう大事なお金ちょっと使っちゃったよ!

と、とにかくまずは冒険者ギルド行かなきゃだよね!


「おじさんありがと!また来るからねっ!」


私は串焼きのおじさんにそう言い残して、牧師様の書いた紹介状にある地図を見ながら全力で駆けた。

これで今日の営業時間が終わってたらいきなり初日から躓いちゃうよっ!


全力で走ることおよそ10分ようやく目当ての場所らしい建物を見つけた。ふうー、中は明かりがついてるしなんとか間に合ったかな?


二階建てのちょっと古臭い木造の建物には剣と盾の模様が書かれた紋章と冒険者ギルド ファルス支店と書かれてあった。

建物の周りにはさっきいた農作業のおじさん達のような人ではなく、屈強で剣や弓、錫杖を持った人までいる。みんなここの冒険者なんだろうなぁ〜そして今日から私も!


高まる胸を深呼吸して落ち着かせた後、私は両手で勢いよく冒険者ギルドの扉を開けた!


「ぐえっ!!」


そして最初に私の目に入ったものは開けた扉に吹き飛ばされて転がる若い男の冒険者だった。







いよいよ始まりました。次回は冒険者ギルドから初日の宿をどうするのか、マヤの冒険は始まったばかりです。


感想はもちろん意見や指摘などもご気軽にお待ちしております。



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