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1 ここはどこ?

ごアクセスありがとうございます。

とりあえずは、十一話まで連日で投稿します。

それ以降どこまで続けれるかわかりませんが、拙作に付き合っていただければ幸いです。

 気がつくとそこは、緑が広がる森の中だった。

 普通の森とは違い色とりどりの光がそこらじゅうに飛び交っているのだ。

 幻想的とも言う風景に心奪われながら体を起こした。


「一体ここは?」


 周りを見渡すが、木々があるだけで森の中という事以外の情報を得ることが出来なかった。


「私は、……いや、違和感があるな俺だったっけ?」


 そう呟いたところで重大な事実に気がついた。

 ここに来た時の記憶が無い。

 いや、それどころではない、今まで何をしていたかすら思い出せないのだ。

 今着ている黒服を着たことすら自分でやったことなのか定かでない。


「いや、そもそも俺って誰だっけ?」


 ココハドコワタシハダアレ?


 自分の帰るべき場所がわからないその事実に、顔から血の気が引くのがわかった。

 まるで帰り道がわからなくなった子供に戻った気分だ。


「お、落ち着け、落ち着けよ俺」


 そう呟き体を倒し空を見上げる。

 今は夜だ。

 よくわからない光があるおかげで真っ暗でないのは少しだけ心に落ち着きをもたらした。

 見たことがあるような満天の星空を見上げながら大きく深呼吸をする。


「あ、何かやることがあったんだっけ」


 と記憶に引っかかるものを感じたが出てこない。


「喉まで出かかってるんだけどなぁ」


  ん~っと唸る。


「くそっ、出てこないな。

 仕方がないまずはこの森を出て人がいるところに行かないとな。

 でも方向がわからないなせめて地図でもあれば……っあ!」


 そこまで言ったところで一つの呪文思い出した。


「いや、けど出るかな? 出なかったら恥ずかしいな……。

 ええい! ままよ!」

『メニュー』


 途端に目の前にメニューと上部に書かれた映像が浮かぶ。


「おお! すごいなこれは!」


 と驚いたが、しかし、なぜメニューなるものが使えるのかわからない。


「まあ、考えても仕方がない。 ひとまずメニューのことを把握しないと」


 メニューには上からアイテム、スキル、ステータス、ディクショナリー、オプションの順に並んでいた。

 しかし、普通はここでどうしたら良いか迷うところだが、何故か使い方がわかるのだ。

 感覚的には見たことがない漢字を読めるのと同じといったところか。


『アイテム』


 そう唱えるとアイテムの項目が開くが『Empty』という表示が出た。


「うん、まあそうだよな」

『クローズ』


 もうすっかり使い方を思い出したような気分だ。


「最初から知ってたのか? 俺、何者だよ」


 何故、メニューなるものが使えるかわからないし考えてもわからないと思いそのことについては、深く考えないようにする。


「まあ、次だ」

『スキル』


 スキルの項目が開くと二つのスキルが並んでいた。

 鑑定と技能取得である。


「うん? 技能取得?」


 技能スキルに技能取得があるのは少々おかしくないか?

 とか思いつつ、しかし深く考えても仕方がない。


「よし、よくわからないが次だな」


 後で鑑定を試してみようっと。


『クローズ』

『ステータス』


 と唱えると数字が羅列した画面が表示される。


--------------------------------------------------------------------------------

名前:フショウ

種族:ジン類

称号:記憶を失いし者

職業:無し

所属:無し

Lv :1

STR :100

VIT :100

DEX :100

AGI :100

INT :100

能力:メニュー

技能:共通言語、鑑定、技能取得

--------------------------------------------------------------------------------


 お! 名前が書いてある。

 っていや、フショウって絶対に不詳だよな……。

 で、種族が人類……? 人がなんでジンになってるのか気になるが今は無視スルーする。

 どうもこの数字を見る限り弱いか強いかよくわからない。

 こんな森の中では心もとなさすぎるな。

 まあ、考えるのはすべて見た後だな。


『クローズ』

『ディクショナリー』


 次の項目を開いてみたがすべてが『????』となっていた。


「当然だな、まあ次で最後だ」


『クローズ』

『オプション』


 オプションの項目を開くと幾つかの項目が現れた。


「えーっと、マップ、ヘルプ、クリップ……クリップ?」


 マップとヘルプは分かる。

 いや、マップはありがたいのだが、なんだクリップって?


「開いてみるか」

『クリップ』


 クリップの項目を開いてみるが、画面には『????』も『Empty』も出てこない。


「なんなんだこれは?」

『クローズ』


 クリップについてはよくわからなかった。

 とりあえず先にマップを確認しようか。

 それで分かったら最後にヘルプを開いてみようか。


『マップ』


 開くと地図が表示された。


「これでどちらに行けばいいかわかるな」

『クローズ』

「まあ、あとはヘルプだな」

『ヘルプ』


 今度は女性の顔が映し出された。


『初めまして、ヘルプです。

 聞きたいことがあれば質問してください

 答えられる範囲でお答えいたします』


 整った顔立ちだが、美女という感じではない。

 可愛い系の美少女といった感じだ。

 見た目的には15か16歳ぐらいだろうか?


「すげえな」

『ありがとうございます』

「えっとそれじゃあクリップってなんだ?」

『申し訳ございませんが答える権限がありません』


 ……いきなり答えられないってどういうことだ。

 しかし、権限か……不安な言葉だな。


「じゃあ、この森の名前は分かるか?」

『はい、子鬼ゴブリンの森と呼ばれておりますが正式にはアメルフォレストという名称です』

「ゴブリン? 知っている気がするんだが、思い出せない」

子鬼ゴブリンは魔物認定されている亜人種です。

 とても凶暴で人を見れば襲い掛かってくる野蛮な種族とされています』

「へえ、その情報はもしかしてディクショナリーに載るのか?」

『はい、姿は見ないと登録されませんがそれ以外の情報はすべて登録されます』

「嘘の情報か間違った情報とかは?」

『載りません』

「ほう、優秀だなディクショナリー」


 間違った魔物の情報を弾けるのは心強い。


「とりあえずこの森を抜けたいが近くにゴブリンはいるか?」

『はい、五匹ほど』

「あ、そうだ。 ゴブリン一匹と俺ではどっちが強い?」

『フショウ様です』

「そうか、それなら何とかなるか?」


 こっそり逃げてばれそうになったらる。

 それで行こう。


『ク』『ちょっと待ってください!』


 閉じようとしたときにヘルプさんが待ったをかけた。

 急に声を張り上げられたので驚いて一瞬動きが止まる。

 慌てたような表情を作るヘルプさん。


「……ん? どうしたんだ急に」

『最後に「ヘルプパッシブモード」と唱えてからヘルプを閉じてください』

「それを唱えたら、どうなるんだ?」

『音声のみとなりますが、私がサポートを行えます』

「ほう! それはありがたい。

 けど、サポートって何ができるんだ?」

『案内と戦闘のアシストです』

「案内は分かるが、戦闘のアシストってなんだ?」

『戦闘時の動きの最適化であったり魔法のサポートなどです』

「へぇ? 魔法使えるのか?」

『はい、イメージして適当な呪文を唱えていただければ発動します』

「じゃあ、石礫ストーンエッジ


 適当に手を前に出し適当な呪文を唱えるとイメージした通り地面から石の礫が手を出した方向へ飛んで行った。


『はい、そういった感じです』

「戦闘時の最適化は、まあ要するに体が勝手に相手の攻撃を避けると思っていいんだな?」

『はい、ご名答です』


 結構至れり尽くせりだな。

 本当に記憶を失う前に何をしたんだ俺は?


『ヘルプパッシブモード』『クローズ』


 そんなこと思いつつさっき言われた呪文を唱えるのを忘れない内に唱えて一番近くの村がある方へ歩き出した。


『あ、もう少し右の方へ行ってください、このままではゴブリンと鉢合わせになります』


 ヘルプさんのサポートを受けながら。

誤字脱字、感想、評価お待ちしております。

拙者はそれがあるととても嬉しいです。

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