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その殺し屋、元医者にて  作者: 虎一揮
序章 転生
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死、そして転生

2作目は異世界転生ものです!

医者の知識はいまはないですけどおいおい精度を上げて話に盛り込めたらなと思います。


スキル習得の際、こいつおっさんなのになぜこんなマニアックなスキルを?って違和感があっので訂正しました。

帝倉は学生時代は総当たりで本を読む人だったのでその中にラノベも含まれていた感じです。

社宅時代も旅行に行けないから本で不満を解消しています。

金だけは有り余ってるので蔵書数は小さな図書館並みでしょう

俺の名は帝倉真鷹(ていくらまさたか)

言っちゃなんだが外科の名医だ。

歳は今年五十路に突入する。

医療界のベテランって訳だ。

俺は〇〇大学付属病院、日本においては最高峰の医療機関で勤めている。

大型のデパートと遜色が無い広大な敷地。

清潔感を前面に出した白一色の建物。

全20階建の病院の18階の一室、俺の勤務室がある。

並大抵の医者とは異なり、院長候補に上がる俺は、一室を扱っている訳だ。

俺以外誰もいないオフィスで、俺は黙々と書類作業に勤しむ。

静寂を保っていた一室に、トントンとドアをノックする音があたり全体に広がる。


「先生、よろしいですか?」


「この後704号室の患者の手術を行いますのでご支度をお願い致します」


「ああ、わかっている」


医者になってから30年余り、俺はほとんど休むこともなく仕事に従事してしまった。

20代まではまだよかった。

あの頃は体力も有り余って度重なるオーバーワークにも耐えられたから。

その頃に熱心にならなければよかった…。

無駄に多くの功績を積み上げてしまった所為でこんなところまで上り詰めてしまった。

功績が積み上がれば期待が生まれる。

それに応えなければ権威は失墜するため、また働かなければならない。

その繰り返しだ。

その結果碌に休まないままこの年代まで突入してしまった。

もう、疲れた…。


俺は豪奢な椅子からゆっくりたちあがり、ドアへと歩き始める。


不意にフラッと、自分の見えてる世界が回転する。

どさり。

俺はうつ伏せに倒れた。

次第に意識が遠くなり、視界もだんだんと狭くなっていく。


「先生!大丈夫ですか!先生!先生っ!」


看護師の声がまるで遠くの方から聞こえてくる。

まるで映画のワンシーンを観ているようだ。

あぁ、俺は死ぬのか。

結局俺は自分の望む人生を送れなかったなぁ。

ただ振り回された人生、次は必ず自分のやりたいように生きよう。

俺はそのようなことを考え、永遠の眠りについた。


➖➖➖➖➖➖➖


全方位が真っ白に包まれた何もない世界。

俺はそこにポツンと突っ立っていた。

聖なる場所に一つの不純物が紛れ込んだように、俺の周りだけ少しだけ暗くなっている。

上を見ても下を見ても白い空間が広がっている。


あぁ、ここが天国ってやつなのか?

思ったよりも殺風景だな。

俺はそんな物が存在しないと思っていたが、俺は死んでいるのだからそう捉えるのがいいのだろう。

やっぱりこういう場所は存在するんだな。


突然目の前の景色が歪んだ。

歪みはだんだん大きくなり、それは形をなす。

それは人型のシルエットをしているが、中身は何もない。

そこに何かがあることがわかるが、それが何かが全くわからない。

その不確かな存在がこちらに振り向いたような気がした。


「やあ。君は確か帝倉真鷹くんだったかな?」


「あぁそうだ。で、お前は誰だ。中身はどこにある?それとも人間か?」


「まず後者の質問に答えようか。私に中身なんてないよ。いわばこの空間全てが私なんだ。あなたに認識してもらうために光の調節をしたまでさ。私に固有の肉体は無いよ。次に私は誰か、か。私は君たちの言う神と言われる存在かな」


神までいた…、って胡散臭いな、何も信じられる要素が無いじゃ無いか。

いきなり現れて私は神だ!って言う奴なんて大概頭が狂ってるやつしかいないだろ。


「あ、君、失礼なこと考えたね。まあこんな登場だから胡散臭く思われるのは当たり前か。神たる所以を君に教えたいところだけど話しを進めよう。」


「ああ」


人間のシルエットがわずかに歪み、手?に見える歪みがこちらに差し向けられる。


「帝倉真鷹くん。君は人をたくさん救ってきた、そうだね?ざっと500人は超えるかな」


「それがどうした」


「死者の行く道は知っているかい?君が生きていた世界では輪廻や天国と、死者は必ずどこかへ向かう、っていう説もある。そのまま無の世界に誘われるという説もある。様々だよね?どれもが正解なんだ。生きている時の功績で死者の行く道が選ばれる」


「じゃあ俺は500人救ったから天国に行けるみたいな話になるのか?」


頭のシルエットの部分がフルフルって震えた。


「いや、そんなことは無いよ。選択権が増えるだけだね。前世の功績は全部ポイントに還元されるんだ。君は人の命を救うという最もポイントが高い行為を重ねたから、もうなんでも選べちゃうね」


「なら選択の一覧を上げてみろよ」


「まあまあ、そんな急かさないで。あまりに多すぎるから時間かかっちゃうしこっちで進めていいかな?結構時間が詰まってるし」


「死者が俺の後に溜まってるってことか、まあいい」


「物分かりが早くて助かるよ。で、私が勧めるのは、魔法の飛び交う君たちの前世でいうファンタジーな世界がいいよ」


魔法、か…。

そういえば若い頃そんな世界の話を読んだことがあったな。

あの世界は自由でよかった、誰にも指図をされず、思うがままに生きられた。

前世の頃の俺の人生とは真反対で叶えようの無い憧れを持っていたな。


また光が揺らぎ、両手を合わせたようなシルエットになる。


「そう!あの世界は自由さ!誰にも縛られない素晴らしい世界さ!頼れるのは自分の力と仲間の絆!その世界の唯一の法則は弱肉強食!君にぴったりだと思わないかい!?」


まあ、そうかもな。

自分が強ければ縛られない、おもしれえじゃねえか。

次の人生では誰にも縛られずに自由に生きてやる。

人を助けるという縛りも無いしな。

逆に気に入らない奴は殺してもいいわけだ。


「そう!勝者が真理なのさ!この世界での功績は君のいた世界とはまた別さ!君が人を屠ろうと救おうと何も影響はないさ!だけどポイントは限られるけどね!それはたったの三つ!

一つ!世界で最強になること!

二つ!歴史に名を刻むこと!

三つ!その世界での頂点たるモンスター、名を『漆黒の龍』の討伐!

わかったかな?」


「一つ質問だ。その最強は人の域でのことか?『漆黒の龍』とやらは別枠なのか?」


「そうだよ。人といってもいろんな種類があるけど、そう捉えて構わないよ。モンスターは全般別枠だよ。モンスターと人の頂点になるのさ!」


「わかった。じゃあそこへ行く、他になんかあるか?」


光のシルエットの光量が増す。どうやらこっからが本番なようだな。神?もなんだか楽しそうだ。


「大事なことだよ!それは君のスキルについてさ!君は功績をかなり積んだからまだまだ余裕があるよ!ざっと二つかな?」


てことはこの世界に入るのはかなりの功績を収めなければ無理なようだな。

通行料が高いんだろう、そもそも転生自体にポイントの殆どはとられるのか。


「じゃあ俺が決めてもいいか?」


「うん!いいよ!不老不死、不死身とか無敵なやつは禁止!バランスが崩れちゃうし面白くないもんね!」


俺は2.30年前に読んだラノベのファンタジー系の物語を思い出す。

全てにおいて特化できるスキルがいいよな。

なら自分の成長に関わるスキルがいいか。

俺がみたファンタジーモノだとどうしても凡人には限界があるみたいだしな。

一つはそれで行こう。

もう一つはどうしようか。

固有のスキルっていってもそんな強いのは頼めないっていってるし期待はできないよな。

逆にスキルを奪っちまえばそれは固有のスキルになるのでは?

しかも固有スキルが蓄積すると多彩だし、後々楽にだろうし。

よし、決めた。


「ああ、なら俺が欲しいスキルは、成長の限界を無くすスキルと相手の能力を盗む。この二つだ」


「一つ目はいいよ!けど二つ目はこっちで条件をつけさしてもらうよ!充分チートだし!条件は相手を殺す!効果は相手のスキルを奪い、被っていたら何も得られない!ステータスは20分の1を自分のステータスに還元!モンスターも含まれるよ!これでどうかな?」


「ああ、それでいい」


「よし、交渉成立!これでポイントは無くなったね!次は転生する時の容姿は17歳の男性でいいね!ステータスは一般男性並、スキルはさっきの二つだけ!」


「ああ」


「じゃあ転生の準備に入るよ!」


俺の周りが光で満たされて行く。

俺の存在がみるみる光で上塗りされて行く感じ。

約50年間俺を支えてきた肉体の感覚が段々と無くなっていく。

じゃあな、前世の俺。

俺は次は自由に生きてやる。

誰にも縛られない人生を今度こそ送ってやる。


光が俺の顔を覆う。

視界が光の白い色で満たされ、神?のシルエットが徐々に見えなくなる。


「さあ!行っておいで!君の2度目の人生のスタートだ!武運を祈ってるよ!私を退屈にさせないでね!」


神は俺を見ているってか。

まあ神の言葉など気にはしないさ。


そしてまた意識が薄れていく。

俺はそのまま真っ白な世界を後にした。


そして、俺の2度目の人生が始まる。

更新はこつこつやっていきます!医療の知識も詰まるので更新は遅くなるかもです汗

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