本編へ……
とりあえずです。短いです。
船は目的地、センエン国の港に到着した。
ついに、である。
予定、一週間の海路だったはずだが、魔物の襲撃と嵐に巻き込まれたせいで、二週間近くかかってしまった。
「やっとかよ」
「やっとだな」
「やっとですね」
「まぁ、やっとだ。でも普通だと思うけどね、僕は。だって航海にはイレギュラーが付き物だもの。たとえば僕みたいな? くっくっくっ……」
「……」
航海に疲れきったタロー、チィルール、リリィーン、トロイの四名、それぞれのボヤキだった。
「野菜、食べたい……」タローのボヤキ。
「私は果物が所望だ」チィルール。
「満干全席かフルコースディナー食べたい」リリィーン。
「確かに、かもね。長い航海の船上で新鮮な野菜は食べれないし、果物でビタミン不足を補いトコだけど、それもしれてたしね。あと、満干全席? 死ぬ前に夢を叶えたいってことかな? ゴメン、僕には分からないや」
トロイは年上の最年長。
本来なら他の三人を導く立場でも誰も文句はいわないはず。
でも、頼りにならなさそう。
ニヒルでシニカルでナルシストに、リーダーの素質はない。
「陸にあがったら、ソッコー、飯な?」
とタロー。
「お、おうよ!」
とチィルール。
「イエス、ん? タロー」
とリリィーン、ちょっと引っかかったけど納得。
「港に着いたら宿の手配じゃないか? セオリーてきに?」
「セオリーが食えるなら、それでイーぃ、です! けどさ!?」
「セオリーは食べれないけど?」
「じゃああ! 食べれるセオリーを教えてください!」
「は、なあぁ?」
真剣な眼差し、それはタローだけでなかった。その他二人も、である。
「ん、分かった。確かにそうだった」
トロイはちょっと後ずさり。
みんなの気持ちを理解しているのはトロイではない、タローだった。
「旨い飯屋、知ってますか?」
「無論だ。私はなんでも知っている」
「じゃあ、そこへ!」
「承知だ」
「お、ああ!!」
みんな漂流生活から救助され、開放された漂着者のような歓喜の表情。
その思考のさきは嗜好!
「バタ臭い、飯から、ようやく開放だーっ!」
「やああーっ」
歓喜のタローのその他も同調する。
だって航海途中、海龍なんて大それた高級食材を獲得したのはいいけど、さすがに毎日二食、ソレばかりというのは無理というものである。脂の乗ったカロリー満点のその身を毎日食べた結果、みんな丸々ツヤツヤ、ぽてぽてになってる。
「普通なら逃亡航海でみんなゲソゲソになってるはずだけどね。なんだろね?」
運命です。
だって、そのころ、南の島で、ルルーチィは死に掛けていましたし。
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「きゃく、きゃくせえ、しろおおおお!!」
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『ドッガッーン!!』
狂喜の宴が始まった
ルルーチィの漂流生活・覚醒 (第83話)より
twiteer始めました。
宣伝したかったんです。
操作わからないけど、教えてください。
それと、そっちで感想頂けたらいいなぁとか思ってます。
リアクションほしいっす。
オネが死します
なんか面白いのでこのまま投下します。




