幼女拷問。気絶さえできれば……
閲覧注意、じゃないです。
「そろそろ、本題に……」
首領のアリスちゃん困る。尋問してもらうために彼女を呼んだのだ。
少女を『ヤーイ、ヤーイ、ウンチャチャチャぁあー、アンシャシャシャぁあー』とか、おちょくっているばかりではかなわない。
「ん? 本題?」
「その者、アンチャチャチャですか? 目的とか要求とかイロイロと用件を……」
「え、別にどーでも良くね?」
「……」
先輩のスペーシュはいつもこんな感じになるから関わりたくはない。
「スペーシュ、あなたにはその子と遊んで仲良くなってほしいの? だから呼んだのよ」ローリィの助け舟。
「そっかー! そうだよな! 俺、子供と遊ぶの得意だからな! 任せとけ!」
(先代のスペーシュ先輩の頃からの副官だけあってローリィはこの人の扱い慣れてるなあ)
アリスちゃん素直に感心する。そして自分も彼女の手の内にあることには気付いていない。平和なマフィアである。
「じゃ、遊ぼうぜ!」
「はあ? なにを言っておるのじゃ? コヤツ」
不審がる少女。話の流れからいって、『遊ぶ』が拷問の隠語ではないと分かる。だが本当に遊ぶ気なのか? それで? どうなる? バカっぽいやつだが、バカなのか? 逆に得体の知れないことが恐怖の少女。
「はぁーい、いきまちゅヨー?」いきなり幼児語のスペーシュ。
「キサーン、脳みそ沸いとんか?」
「そーれぇ、コチョコチョコチョ……」
アンチャチャチャの脇をくすぐりだすスペーシュ。
「ひゃ! ハヒャハ! ひゃーはひゃひゃははは!」
「たのちいでちゅねー、もっとしまちょうねー」
「アホか、貴様、このような児戯でワシが吐くとでも? ――エ!?」
だが、アンチャチャチャ、驚愕。
スペーシュの後ろ、アリスちゃんとローリィ、すごく、憐憫に満ちた視線。
その視線は、こちらと合わさった瞬間、逃げるように逸らされた!
(なんぞ? どういうことな?)
そして自身の長い人生の中で、未だかつて感じたことのない何かが近づいてくる感触。
それはオゾマシイ何か――
(この悪寒! 得体の知れぬなにかが来るというか?)
だが得体はあった。
気付きたくはなかっただけなのかもしれない。
目の前にいるソレ。
気付けば人外に等しい形相でコチラを見つめ、舌なめずりしている。
「なッ? キサン! ナニモノけ!?」
「カワイがってやるぜ? 全力全開で? 俺の愛、テメーなら受け止めれるかもなぁあああ!!!」
「ひぇ! キサン! 魔王け? おい、後ろのお前ら――フャヒャヒャハヒャはひゃひゃー」
アンチャチャチャの言葉は遮られた。
拷問の開始である。
「そーれ! こちょこちょこちょこちょ……」
くすぐられるアンチャチャチャ。
「ヒャヒャヒェヒャハヒャヒヒャハヤハヤ……」
一時間経過。
「そーれ! こちょこちょこちょこちょ……」
くすぐられるアンチャチャチャ。
「ヒャは……、その者ぉ、金色の衣を、ヒヘ、まといて、青色の野に降り立つべし、ヘヘヒャ」
アンチャチャチャ、なんか予言めいたこと喋り始めた。
二時間経過。
「そーれ! こちょこちょこちょこちょ……」
くすぐられるアンチャチャチャ。
「ヒャ……、ワレワレハ、ひ、ウチュウジンダ……、ひゃ、チキュウジンニツグ……、あひゃひへ」
アンチャチャチャ、なんかヘンな電波、受信し始めた。
三時間経過。
「そーれ! こちょこちょこちょこちょ……」
くすぐられるアンチャチャチャ。
「ファーブルスゴォーモルスァ! ファーブルスゴォーモルスァ! ファーブルスゴォーモルスァ!」
アンチャチャチャ、……おふぅ。
「いい加減にしてください!」
後ろでローリィとお茶をしていたアリスちゃんもさすがにしびれをきらせた。
「先輩!? スペーシュ先輩!?」
反応がない。
「失礼します。先輩、非常事態ですから」
アリスちゃん、腰から刀を鞘ごと抜き出し、鞘ごとスペーシュの頭を思い切りブッ叩いた。
『ゴン!』よろめくスペーシュ。
「はっ!?」
「お気を確かに?」
「テメー、俺のこと……」
「それよりも、アンチャチャチャが限界です」
「あーん?」
白めを剥いて泡を吹いてるアンチャチャチャ。
「ちっ、コイツでも俺の愛には応えられなかったか」
額に一すじの血を滴らせながらスペーシュは残念そうにしていた。
次回、アリスちゃんは……




