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児童保護施設での生活1.2

楽しい感じ。次回シリアスの溜め回です


 木に吊るされた大蛇は脳天をダガー(短剣)で突かれ、すでにお亡くなり。

 リーダーの慣れたダガー捌きで皮を裂さかれ、剥ぎ取られ、ピンク色の肌があらわ。

 そして次に腹を裂き、内臓を取り出す。


 「手伝おうか?(できることあるならだけど)」

 「いや、このダガーは俺しか使っちゃダメなんだ」

 「なんで?」

 「刃物を持っていいのは隊長マーだけ。そして、そのことにおける責任も全て隊長マーの責任」


 (そうだろうか? みんなで分担も・・・て、アレ? そういえば現実世界でオレ達、学級委員長だからとか、店長が責任者だからとかで、オレら関係ないって、無責任なコトしてたような・・・)


 じゃあなんだろう、この気持ちは・・・

 リーダー? 責任者? 

 目の前のこの子を見て混乱した。

 だがしかし、とも思う。


 (だって、リーダーが責任取ろうとしたことないし。失敗したら周りのせいだって喚くウザイ存在。でもこの子は・・・)


 やめだ! 考えるのヤメ。

 こういうのは眠れなくなる。

 何度か徹夜した経験がある。

 食材のヘビについて考えよう。

 

 (ヘビかぁ・・・テレビとかゲテモノグルメ番組でウマイとか聞くけど・・・)


 ヤラセだろうしな。

 テレビの情報は嘘半分で聞いている。

 あとでネットで確認するまでは。

 だがいまネットはない。自分で確認するしかないし、逆にそれがとても楽しみなわけで。

 切り刻まれバラバラの肉片になったヘビ。


 「オイおまえら! そっちは、どーだぁ?」

 「イエス! マー!」

 

 リーダーにむかって隊員達の威勢のよい返事。


 どうやら準備は整ったようだ。


 「ニィーちゃん、そっち持って・・・」

 「おぅ」


 ぶつ切りにされたソレは、旨そうな肉以外のナニモノでもない。

 その肉を、剥いた皮に乗せて、タンカを担ぐ要領で運ぶ。

 三キロくらいかな。一人でも十分運べたけど、子供一人で運ぶのはきつそう。いつもの子供たちだけだと、こんな風に運んでるのだなと思った。


 「熟成させたほうが旨いんだけど、まぁ、すぐ食いたいよな」

 「やっぱ、旨いんか?」

 「食ったことないんか? この毒蛇ドゴンダは、肉厚だし風味も上等。アイツら、ニィちゃんたちのために頑張ったんだぜ?」

 「そっか、うれしいなぁ・・・(毒蛇?)」


 あの子、毒蛇の大蛇を平然と?

 たくましすぎて、怖い。

 やっぱオレにはチィルールで妥当なのかも。


 「お、いい火加減じゃん!」

 「イエス! マー!」


 川沿いの陣地に戻ると、火炎石がいい塩梅に赤くなっている。

 炭のように熱を放っている。


 みんなの前に立ったリーダー。 


 「ラ・リレクチャ!」

 「・・・イエス! マー!」


 よく分からないやり取り。

 でも、みんな静まり返り、敬謙な雰囲気。


 「では、宴の祈りを・・・」

 

 また、一斉にお祈りが始まった。

 コレ、バツが悪すぎる。

 なんで、「いただきます」で済ませないんだ。

 みんな、ぶつぶつ、なんか言ってる。

 オレ、おいてけぼり。

 なんまんだぶぅ、も、芸がないし、はやく終わって?


 「ということで以下略・・・」とリーダー。

 「以下略・・・」

 「以下略・・・」 

 「以下略・・・」

 「以下略・・・」 

 「以下略・・・」


 突然みんな以下略で済んだ。

 便利だなぁ。いえ、ありがたいですよ?

 一人続けてたチィルールもあわててみんなの真似してた。

 その驚愕の表情、『何・・・だと』みたいで傑作だったわw

 

 「じゃ! やるか!」

 「ヤー!!」


 食材を次々、火炎石の火にくべる。

 キノコは鉄板がわりの石板の上で焼く。

 ドングリみたいな固そうな木の実は皮に切れ目をいれて、直接火の上に。

 芋みたいのは葉っぱにくるんで、やっぱ火に。

 そしてメインディッシュのヘビの肉。

 火炎石に広げた蛇皮の上でじっくり火を通す。

 そして蛇皮から滲み出た油で、肉がジュウジュウと焼かれ始める。


 「いいニオイ・・・」


 誰の言葉でもない。全員のセリフだった。

 

 「さすがドゴンダ。『当たっても食いたい大砲』と言われるだけはあるぜ!」

 

 まって? 毒蛇で『大砲』。それって河豚の上位互換?


 「マー、そろそろ、いいかも」

 「うん。今回は客人が先だ。お二方、歓迎します。どうぞ・・・」


 塩をフリフリして差し出された葉っぱ皿上の蛇肉。

 見た目は肉厚なタチウオをソテーしたみたい。

 でもまって、これ毒ないよね?

 素人が処理してたよね?

 食わなくちゃならない空気だけど?


 「うまいーっ!」


 チィルールが躊躇なくぺロリ。


 「タロー、ソレ、食わぬのか? じゃあ・・・」


 オレの分け前に手を伸ばすチィルール。


 「アホか! お前に食われるくらいなら、オレが食う!」

 

 アバラ骨から肉をムシリ、口にした蛇肉。

 

 (あ、ああ、うまい)


 肉質はねっとりといやらしい感触なのだが、かみ締めるだびに、砕けて弾けて溢れ出す肉汁。

 味は本マグロの赤身と馬肉の赤身の中間みたいな甘みのある深い味。鶏肉に例えるレビューは現実でみたが、全然違う味わい。異世界ならではの味なのだろう。


 「う、うめー!」

 「やー!!!」


 オレのリアクションでみんな大はしゃぎ!

 こっちも大はしゃぎ! 


 「くえー!」

 「やー!」


 みんなで食べまくる、といっても、食材の量はしれてる。

 二口三口ずつ、オレ達を含めて十二、三人で分けたらそんなもの。

 三分の一に割かれたキノコ、ジューシーだった。お吸い物みたいないい味が口にあふれた。

 ドングリ、ナッツみたい、香ばしい。イモもポップコーンみたいな味でオヤツっぽい。

 アプリコットみたいのは甘酸っぱさがシメのデザートに丁度いい。

 腹八分でも十分満足。

 それに、食べることより、みんなで食材集めることのほうが楽しかった。

 いや、オレ、なんもしてないけど・・・楽しかったよ? 


 

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