児童保護施設での生活0
区切りてきなアレで短いです
あれからオレ達も畑仕事を手伝って、昼食は子供達と一緒に畑で食べた。
パン二個とミルク。若干少ない気がするが学校で菓子パン二つに牛乳と考えれば普通だ。
でもチィルール御代わりを要求、そして却下。
財政的に余裕がないって言われたの忘れたのか?
というかチィルールだから理解できなかったんだろうなぁ。
それからリリィーンはユーニィさんと一緒に教会建物に戻った。
去っていくリリィーン、ユーニィさんの腕にべったりまとわりついて、なんかウザがられていた。
オレ達の世話役だったはずだが、いいのかコレ。
だがアイツ、べつに必要はないし邪魔なのでよしか。
そして畑仕事。
「雑草を抜いて、作物の成長を助けてあげるんだよ?」
慣れないオレらは子供達に指導してもらう。
「わたしに、まかせろ!」
雑草の芽を摘むっていうのに、堂々と作物の苗をズボッっと引き抜くチィルール。
なんでミミッチィ雑草と逞しく生きようとする苗の区別がつかないんだ、コイツは。
「もうコイツ、放っとこうっ」と言っても納得しない子供達。
出来ない子には出来るまで教えてあげないとダメなんだって。
チィルールに教えてあげる子供たち。
でもいつのまにか・・・
「タロー、これはいいのか?」
「ああ」
いつの間にか、チィルールの指導役にオレ。
子供たちサジ投げてオレに丸投げ。
「じゃあ、これも、いいよな?」苗、鷲掴み・・・
「アホか! ダメだ。なんで区別できない?」
「不思議だ。わたしには雑草も作物も同じにしか見えんのだが?」
まぁ現実世界でも女の人は車が全部同じに見えて区別つかないとか言うし。そんなものなのかも? でも4WDとかスポーツカーとかの区別くらいはつくはずなんだけどなぁ。なんでコイツは区別つかないんだ?
そんな調子の農作業。時間が過ぎる。
(さすがに疲れた。二時間以上もコレはなぁ)
チィルールはとっくの前に土の上に寝転んでいる。
まぁ、邪魔だからコイツはそれでも良いが・・・
(あと、どれくらい作業しなくちゃならないんだ?)
日はまだ高い。夕暮れまで作業しなくてはならないのかも。
しゃがみこんでの慣れない仕事はつらい。
でも子供たちは黙々と作業してる。
(現実世界でも大人だったら普通に何時間も作業してるはずなんだ。だけどじゃあオレってホント、こっちのガキ以下なんだな)
自分のひ弱さが恥ずかしい。
(現実世界のオレらってどんだけ甘やかされてたんだってば)
高校生活が懐かしい。
具体的な記憶は一切ないが、それでもこんな過酷な状況があった記憶はない。
(農作業が過酷?)
それも違う。オレはサバイバルで何度も死にかけた。
(やらなきゃならない・・・だって、後ろにあるのは、『死』だ)
前に進むしかない。これくらい、たいしたことではない。
「うん。オレは今、生きている・・・(って当たり前のことなのにな、っはははw)」
作業に集中する。
生きるか死ぬか、たぶん、今オレがしてる選別もそういうことだ。
選り分けられる植物たち・・・あれ?
チィルールの言葉が思い出され・・・
『チャリーン・チャアリーン!』
教会のほうからハンドベル、チャイムが鳴らされる。
「午後の作業終了でーすぅ! みなさーん、お疲れ様でしたーぁ!」
『ワアーアァ!』
ユーニィさんの発声で、作業中の子供たち一斉にバンザイ!
「作業終了? ハハっ、助かった、あハハw・・・」
『ぐううう・・・』と腹の虫がないた。
チィルールかと思ったが、オレのだった。
疲れてヘトヘトだったはずなのに、終わったと思った途端に元気がでる。
身体というのは不謹慎に出来ているらしい。
「メシかーぁ!」と起き上がるチィルール。
「アホ! まだ昼過ぎだ!」
「オヤツか?」
「てめーぇ・・・」
(でも、さすがにパン二個でこの労働はキツイよなぁ)
それに腹が減った音出したのオレだし。
と、思ってたら・・・
「?」
「こっち、こっち」と子供たち手招き。
イタズラそうな表情。
(これは期待できる)
確信を持って彼女彼らについて行く。
あ、チィルールも付いてきた。
まぁ、いいけど。




