潜水艦で網漁
「浮上!」
艦長の命令にともない潜水艦は海面へ浮上し、その姿を晒した。
ごく初期の機工しか持たない潜水艦である。
毎日浮上して、空気の入れ替えをしなければならないのだ。
「やはり、世界はこうでなくてはな」
艦橋から姿を晒した艦長のセリフ。
青く澄みわたった空を見上げていた。
完全に浮上した潜水艦の表面には、艦内から現れたクルー達が手際よく狩りの準備を始めていた。
「青の風は、良いな」
青(空)に出るたびにネイルはそう呟いていた。
「ぬぬああああ」
「おおお」
「やああああ」
搭乗口に一斉に詰め寄り挟まるセイヤ達三名。
「ちょ! 慌てないで!! 順番に! 一人ずつね?」
先に出ていたネイルが後に続いていた彼らを誘導する。
そこだけが出入り口でないのだが、それしか知らない一行はソコに詰め寄るのだ。
「はい、はーい! 避けるから、ちょっと落ち着く!」
「へ、へーい。すんません」
「窮屈であったな」
「先陣は私の役目でしょおお!?」
三人各々が、かってなことを言っていた。
「まったく貴様らは……おや? これはこれは、ポポやん殿」
彼らの後に現れたポポやん。その彼に強烈な皮肉のネイル。
「な!? ネイル艦長、貴様!?」
「いや失礼。できれば私も、彼らのお仲間に入れて頂きたいかと」
「私の名は『ポポポッポ、……」
「はーい! では、狩りを始めるぞー!!」
可哀そうなポポやん。ネイルにも無視された。
「狩りの手順はわかっているな!?」
ネイルがセイヤ達に、改めて確認する。
なぜなら、これから網漁が始まる。そして網はすでに流されている。今からそれを回収するのだ。
「コツはわかったつもりだ。足場を保持。チィルールを保持。な?」
「うむ」
答えるセイヤ。なぜなら前回の漁で足を滑らせ、海中の網中に突っ込んだチィルール。魚たちと一緒に網に揚げられた。
魚と一緒にもみくちゃ状態のチィルールを救助した矢先に、彼女はゲップしつつ、ゲーッっと吐き出すコイワシが……たくさんピチピチ。
「なぜか?」
「うむ」
その騒動の張本人は無自覚。
「その二人をけん制しつつ、網にかかった魚をパンチ!!」
「うむ。できれば、コッチに招き入れてくれよ? ネコの姫様」
「シャァ!!」
答えたルルーチィ。今現在彼女は彼らにはネコ姫様として崇められていた。
なぜなら網にかかった上物を一撃で仕留めるセンスの持ち主だったからだ。
しかも彼女にパンチされた魚は死んでるのに生きてる状態を維持するのだ。
足の速い魚には最高である。それは原理不明の、まさにオカルト。
「シャアアアーーー!」
けれど、興奮状態になったネコ姫様は前後不覚で見境なし。
獲物を海に向かって叩き落とすのはカワイイほうで、間違って船員を活〆して仮死状態にさらすことも茶飯事であった。(数時間後、活き活きしながら復活する船員たち)
「揚がるぞー!!」
簡易魔力ウィンチで水中に張られていた網が水面に引き上がる。
「満杯だ!!」
今回も豊漁のようだ。
元々、音響探知機を載せた潜水艦で魚影を追ったうえでの戦果だ。
なれば当たり前ともいえる。
「大物、確認!!」
「シャアアアー!!」
「待て、待て! 待てーっ!!」
待てませんでした。
網に突っ込んだルルーチィ。
そして……
魚と一緒にもみくちゃ状態のルルーチィを救助。
その矢先に彼女はゲップしつつ、ゲーッっと吐き出すコイワシが……たくさんピチピチ。
そのコイワシ、全部、海に捨てました。
次回はグルメ回かな
更新遅いのは別サイトの作品がクライマックスだからです
そっちも見て欲しいです(かってわがまま)




