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はかなげな少女のイボ


 納屋に着いたオレ達。

 入り口のドア、鍵が開けられ、真っ暗な中に、まずは副官の娘が入る。

 ちょっとして・・・電灯が点る。

 それからオレ達も明るくなった中に入る。


 (へぇ、結構キレイだわ)


 中は仕切りで区切られ、通路側だけ鉄格子みたいな感じ。

 一部屋六畳くらいの区域にベット、タンスにドレッサーまである。

 一通路に左右四部屋。それがもう一通路ある?

 プライバシーさえ気にしなければ十分な設備。 


 (ベットまであるじゃん! ビジホなみ?) 


 気のせいかチィルールの抱きつき力が強まったような。


 「今夜はここに泊まってもらう」と金色蛍さん。


 「スケベエ!は許さん!」とチィルール。


 「同感だ。だから別々の部屋に入ってもらおう。貴様らにここで、スケベエ!をされてはこちらも困るのでな」

 「なあ・・・」


 なんか顔真っ赤にしてチィルールはオレから離れた。

 そしてオレ達、対面向かい合わせの部屋にそれぞれ監禁。

 金属製の格子にガッチリと鍵。

 対面あわせなのは、チィルールがオレのこと見えるようにって・・・

 金色蛍さんもなんでそんな我侭聞くんだよ。


 「では、すまんがまた明日。今宵は貴様らのお陰で何かと騒がしくなる。話はそれを終わらせてからだ。ゆっくりと休め。・・・リリィーン!」


 「はっ!」呼ばれて参上する少女

 「コヤツらの世話、貴様に任す。よいな?」

 「はいっ」


 なんか手下ちゃんの中で一番ちっちゃいのが呼ばれてオレらの見張りになったみたい。

 スタスタと金色蛍さんご一行、その場を去って、オレ達とリリィーンちゃん(?)三人だけ。


 (やれやれ・・・せっかくのスケベイが・・・)


 いや男なら普通そう思うでしょ。

 ふてくされ気味でベットに身を投げる。

 ふと、対面の視線に気付く・・・

 じーっ、っと鉄格子にかぶり付き、オレを凝視してるチィルール。


 「ないよ? なくなっちゃたよ?」

 「こンっのっ、スケベイが!」

 「は? コッチはどうか知らないけどアッチはそうなの!」

 「ハレンチな! そんな世界で女達はどうやって生きておるか?」

 「かわいいよ? そして、たくましいよ?」

 「なんじゃそりゃ。矛盾してるぞ!」


 言われてみると確かに。現実世界の女の子って実は不思議ファンタジーだったんだ。

 でも、それをオレに言わせるとコッチの女のほうが矛盾だらけなんだが。


 「し、静かにシロぉー!」


 門番? のリリィーンちゃん、声を裏返しながらオレ達に絶叫。

 手に持った棍(長棒)を振り上げコチラを威嚇する。

 でもなんか「フゥフゥ」してる。

 仮面してるから表情読めないけど、新人でイッパイイッパイなのかも。


 「はぁーい。すみません。チィルールも・・・」

 「ふん・・・」

 「無駄な私語は厳禁です」

 「了解です」

 「うむ・・・ふ・フゥン」


 リリィーンちゃん、なんか満足そう。

 という感じで緊迫感のない監禁状態。


 (うー・・・どうなるかな?)


 上半身ベットに預け、オレは思考する。

 マフィアのお陰であの混沌から助かったのは事実だ。

 だがそれとコレとは話がちがう。

 

 (搾取されるか? でも、関わった感じ、そうでもないような?)


 まったく予想がつかない。だって、オレ達に充てられた監視だって、なんか頼りない少女っぽい感じの娘だし・・・

 と思って再び視線を外に・・・そしたら、まぁ、対面のチィルールがベットで寝こけてるのはいいとして「リリィーンちゃん?」も寝こけてるのはいかがなものかと・・・

 

 (十時は過ぎてるだろうし、子供はとっくに寝んねの時間か・・・でも?)


 だが、コレはマズイのでは? 監視役が堂々と寝入ってるのは、バイトだったとしてもクビになるのでは?


 「おーい、リリィーンちゃーん!」


 声を掛けても反応ない。背中を向け、ペタリと座り込んで静かな寝息。

 

 「マジですか・・・」


 でも、なんだろう。オレの中にあるSっぽいなにかがムクリとコウベを上げる感触。

 だってせっかくのケシカラン行為がなくなって、オレのオッパイ需要が供給を上まってるし。


 「おーい、リリィーンちゃーん・・・返事ありませんねえ。ちょっと触ってみましょう」


 格子越しに手を伸ばし、リリィーンのわき腹をコチョコチョって・・・

 ピクピクって反応あったけど、起きない。ヨーシ

 

 「もうちょっと触ってみましょう・・・」


 だって、起きないとこの子クビになるかもだし・・・

 脇腹からさらに奥へ・・・そしていよいよ本命の・・・


 (よっしゃ! って、ああ、コイツもイボか・・・)


 オレは手を引っ込める。


 「起きろ! ぼけ!」

 

 オレはリリィーンの頭をぶったたく。


 「へあ!」

 「しっかり監視しろ!」

 「はい、申し訳ありません」

 「よろしい」

 「へ? あ?」


 事態がいまいち掴めてないご様子。

 

 「寝てて、いいのかなぁ?」

 「・・・あ? 寝てなどおらん!」


 どーしてコッチの娘は、チィルールもだけど露骨にうそぶくかね。


 「そうだよねぇ、寝てたら怒られるもんね?」

 「う、うるさい。大人しくしてないとコウだぞ!」


 格子の間に棍を差込み、オレを突こうとしてきた。

 でも、動作が不器用でいちいち遅い。

 ニュと差し込まれた棒をオレもキャッチ。

 そして、ソレをお互いが・・・


 押す押す引く引く押す引く押す引く引く引く押す押す・・・

 

 「ぐぬあ!」

 「ホラ、ホレ!」

 「あっ!」

 「あーぁ・・・」


 勝者、オレ。

 もうちょっと遊んでたかったけど仕方ない。

 動揺してるリリィーン。

 

 (あー、武器取られっちゃったもんねー)


 なんか外のほうをキョロキョロ見てる。


 (あー、誰か助けを呼ぼうかな? でも怒られちゃうかもしれないし・・・な?)


 なんか「ぐぬぬ」って感じで、コッチを睨んでる?


 (あー、睨んで脅せば、ビビッて武器返してくれるかも・・・とか?)


 確かにこれ以上困らせて、仲間を呼ばれてもコッチのほうが困る。

 棒を返そうとして格子の外へ手を伸ばしたが、警戒して近づかない。

 しかたなく棒を格子に立てかけ、オレは背を向けベットに・・・


 「ガシャン」と格子にぶつかる勢いでソレを取り戻したリリィーン。

 ソレを抱きしめてホッと安心してるみたい。

 そしてまた「ぐぬぬ」って睨んでるっぽい。

 でも、もう、ソレを突っ込んでこない。

 だって、また取られっちゃったら困るもんね。


 (あはは・・よし、そろそろ寝るか・・・)


 オレのサディズムはもう十分満足だ。

 スケベイな気持ちは代替で満たされた。

 

 (この満ち足りた幸せな気持ちのまま、いい夢をみるとしよう)


 そして明日を闘うための休息としよう。


--------


 「ブリブリ」と小鳥がさえずく。それは朝が来た知らせ。


 (やっぱ、この娘は・・・)


 オレが目を覚ましたとき、やはりというか、監視役のはずのリリィーンはペタリと座り込んでクークー寝てた。


 (どうしてくれようか・・・)


 といっても、一晩たったオレはエロ要素がなくなっていつもどおりの紳士である。

 

 (なんかないかなぁ・・・)


 イタズラに使えそうなものがないかと辺りを物色。

 めぼしいものはない。

 まぁ、家具付きとはいえココ牢屋だしな。


 (コレでいいか・・・)


 地図があった。でも結局それはただの紙である。

 オレはそれをくるくると丸めて筒状に。

 そして先端をリリィーンの耳元に伸ばし、やさしく息を・・・


 「ふぅぅ・・・」

 『ビクッ』

 「ふふぅぅぅ・・・」

 『ビクンッ』

 (目覚めの時は近い・・・)


 それを確信したオレは喉(声帯)の具合を確認。

 声優さんばりに気張ってバリトンアルトテノールボイスで・・・


 『ボええええ・・・』うん、なかなかのジャイアンボイス


 「ひああああ!」


 悲鳴をあげ、リリィーンは立ち上がろうと・・・

 でも、長時間ヘタリこんで足が痺れてたみたい。

 上半身地面にうっぷして土下座みたいに。

 でも下半身だけは立ち上がろうとして、お尻がテッペンに掲げられ、あられもないお姿。


 「大丈夫?」と言いながらオレは、掲げられたお尻をポンポンしてやった。

 「ひゃあああん!?」とリリィーン。

 

 アタフタして仮面がずり落ちる。

 中から栗色の髪の毛をしたあどけない顔の女の子。

 長めに伸びたショートヘアはくせっ毛らしく、オカッパカットでもユルふあだ。おまけにアホ毛まで付いてる。

 あどけなさを強調するややタレ気味で眠そうなお目々はウルウルしてる。

 なんかビクビクしてる小動物みたい。

 

 (かわいい子だなぁ、やっぱ、なんかイジワルしたくなってくる子だ)


 だからもぅ一回お尻をポンポンする。


 「ひゃあ!」せっかく拾った仮面を再び落とすリリィーン。


 「こらーっ! タロー、貴様、女の尻と見れば見境なしかぁ?」


 チィルール、起きてた。

 格子にしがみ付いてうーうー唸ってる。


 「失礼な。ちゃんと見極めてポンポンしておるわ」

 「アホか、オノレは? そんなことで胸を張るな!」

 「お前ら光栄に思えよ? お尻マイスターに選ばれた、まん丸子供おケツ保持者として」

 「子供・・・とか、貴様ーっ!」


 チィルール怒ってる。やっぱチィルールにたいして子供は禁句だったか・・・


 「静かにしヒョオー!・・・」

 

 なんとか仮面を被り直し、ヨロヨロと立ち上がったリリィーン、でも噛んでるし・・・

 もうグダグダなステージ。


 「そこまでだ・・・」


 入り口のドアを開け、金色蛍さん登場。


 「朝っぱらからハレンチ行為、実にスケベイな連中だ」

 「なっあ!」

 「ちがいまヒュ、わたし・・・」

 「楽しませてもらったぜ。わーはっははは」


 「タロ・・・キサマ・・・」

 「コイツ・・・ヘンタイ・・・コロス・・・」


 なんでだよ? 突っ込めよ? マジレスすんなよ! コエーじゃん!


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