水着回
テコいれ回?
昼食の後。
夕食の狩りに沖へ向かうというジラクィ達に同行したがるチィルール。
しかし、来賓であり、誘拐してきた人質でもある彼女の願いは受け入れられず。
結局、イイルカとクィールや子供達と一緒に砂浜で貝掘りすることになったのだった。
「ルルーチィはともかくチィルールまでビキニにしてぇ。ずり落ちないようしっかり結んでおけよ?」
「なぜか?」
「姫様になんたる無礼な。この男はまったく」
水着姿になった二人の少女を見てセイヤの放った言葉。
当の本人はさほど気にしてないにもかかわらず、お付のルルーチィが憤慨していた。
「オネーチャン、遊ぼ」
「違う。姫様だよ」
「遊ぼー」
「うむ」
「オイ、こらこら。貝掘りするんでしょ?」
「だってー、潮が」
「塩?」
困惑するセイヤ。
「満ち潮なんだから貝掘れねーだろが」
「潮が引いてからじゃないとね」
イイルカとクィール登場。彼女達も水着。
「そうなんだ。俺やったことなくて」
「まぁ、ウブな男」
「ネンネだな」
「お前らセクハラばっかしてっと、ホントに犯すぞ?」
「きゃー!!」
「しおらしさのカケラもねえ。なんて男だ」
「オカスとな、知っておるぞ」とチィルールも参戦。
「尻の穴になにかを、つっ……」
ルルーチィが慌てて後ろからチィルールの口を塞いだ。
「こ、こっらーぁっ!! なんてこと言うだー! ゆるさーん!」
「んご、むご、んんん」
「そういえば確か、チィルールに変な漫画読ませたのってルルーチィだったらしいな!?」
「え!? なんのこと? かしら?」
「とぼけるな! オレはもうちょっとで、コイツになにかを突っ込まれたかもしれなかったんだぞ!?」
「え、へえ?」
「実に興味深い話ですわ」
「ワイ談ってやつか。いーじゃねーか。大人の会話だな」
「ワイ談が大人の会話って、場末スナックの三流ホステスかよ。いいから、そっちも話しに混じってくんな」
セイヤの迂闊な一言のせいで、この太陽の日差し眩しい健康的な砂浜がドロドロのネチョネチョになってしまった。
「早く遊ぼーよ」
「早く早くぅ」
「おお、そうだな。遊ぼう遊ぼう」
退屈そうにしてた子供達の無邪気に救われる。まさに救世主。
「海で泳ぐのか?」
「そんなのツマンナーイ」
「そっか」
「磯にイコ」
「磯はね。大人がいないと行っちゃイケナイの」
「今日は大人がいっぱいだから行ってもいいよね」
「いいものがいっぱい見つかるよ!」
「そっか。楽しみだな(うーん。でも危険なトコそうだけど大丈夫かな? まあイイルカとクィールもいるし、チィルールの面倒はルルーチィがみてくれそうだな。なら久々にオレ自身も楽しもうかな)」
そして到着した磯。
波がザッブーンと二メートルくらい打ち上がっていた。
「あー、波タケー」
「これは死ぬね」
「まーどーせ、満潮時に磯ってもな」
「タコ採りくらいしか出来ないし」
イイルカとクィールの寸評。
子供達から一斉に『ツマンアーイ!』の大ブーイング。
「じゃ、アソコ行ってみっか」
「ああ、アソコね」
「アソコ行っていいの?」
「ええ! 行ってみたーい!」
「行きたーい」
「アソコって?」
地元民だけで話が通じていて、セイヤ達にはまったく分からない。
「まあ楽しみにしてな」
「すっごいモノ見せてあげるわ。ふふ」
二人の自信満々の様子と子供達のはしゃぎっぷりに、期待してしまうセイヤ達であった。
そこで見た衝撃的なモノ
とは?




