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バレた

ついに海賊達は部屋までやってきた。

果たしてリリィーンの運命はいかに――


「ちょいと邪魔するよ」


 船室の扉がコンコンとノックされ、こちらの返事も待たずに海賊は侵入してきた。


「なんですかあなた方は?」


 トロイの台詞。

 でも入ってきたジラクィとマイルミールの二人が海賊であり、匿っているチィルールを狙いに来たのはその他のみんなも先刻承知済み。


「オクエン国の姫君を探してるのさ(こいつら情報通りのメンツだな)」


「むむ姫様にどのような用件なるか?(二人だけ? でも強そうな体格でいかにも海賊って感じだな)」


 芝居がかった様子で今度はセイヤが海賊二人に立ちはだかった。でも、そこで庇われたのは椅子に縛り付けられたリリィーンであり、これはチィルールの身代わりである。そして拘束され猿ぐつわまでしてるのは身代わりを強制している為だ。


「へえ、そちらが姫さんねえ(隠し立てする気もなしか利口だねえ。でもコレはさすがにニセモンだよな)」

「んんー!」


 バレるに決まっているのだが――


「じゃあ、ちょっとツラ貸してもらおうか(交渉したいのか? ソレに乗ってやるのも構わんが)」

「んーんー!!」


 場に緊張が走る。

 しかしである。二人の海賊には乱暴なことをしそうな気配はなかった。

 交渉の余地はありそうだと判断したセイヤ――


「なに!? 姫をどうするつもりだ?」

「なにもしねーよ」

「まさか暗殺――」

「さすがにそんな大それたことまではなあ」

「ならばなぜ?」

「仕事だよ。とある人物に姫を連れてくるよう頼まれたのさ」

「信用していいのか?」

「ああ、大丈夫、大丈夫」

「わかった。連れて行け」


「んん!? んー!! んふんー!!(ちが!! ちがーっ!! ちがーうっ!!)」


 身代わりのリリィーン、必死である。

 あっさりと交渉がまとまり、どこかへと連れていかれ、どうなるかわかったもんじゃないから。

 ニセモノなのがバレたとき、その怒りの矛先になるのは目に見えている。バレるなら代替の効く今しかない。だからこの場から連れ出される訳にはいかないのだった。


「なんで椅子にくくり付けられてんだ」

「椅子ごと持っていっていいです」

「オマケ付きか。いいねえ。だが、もう一つのアレはどうした?」

「アレ?」

「剣だよ。神の剣」

「ああ、あれですね。少々お待ちください。すぐにお持ち致します」

「至れり尽くせりだなあ」


 腕を組んだジラクィが高笑い。


(確かチィルールが隠れてるロッカーにあったよな。扉を開けても横向きで死角だし大丈夫だろう)


 セイヤがロッカーの戸を開け剣を確認。掴んで取り出した瞬間、チィルールの腕がニュっと伸びてきて剣をロッカー内に引き戻したのだった。


「!(なにやってんだお前ー)」

「!!(これはいかーん!)」

「!!!(剣はまた親に買ってもらえー)」

「!!!!(これはそういうものではなーい!)」


 二人の間で神の剣がロッカーから出たり戻ったり出たり戻ったり。


 そこへ近寄る大きな影。


「見ーつけたーぁ?」

「!!」


 チィルールの存在がバレた――



バレたぽ

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