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揉め事


 チョウエン国へと向かう貨物旅客船。

 タンカーまではいかないが、大型の船体は少々時化た海でもモノもとせず進む。

 今のところ航路に不安なし。

 だが、船内では……


「違う! ワザとじゃないモン!」

「だってこのコがシャワーを浴びていた俺を覗いたのよ!」


 十日程度の船旅。

 密閉された空間だ。当然、揉め事は起こる。


「それにオッサンの裸見て、私が喜ぶわけないだろ!」

「ひ、ひどーいぃぃぃ」


 当事者はリリィーンと見知らぬマッチョなオッサン。


 リリィーンは見失ったトロイとルルーチィを探してる間に、うっかり他所のシャワールームを知らず知らずに覗いたのだ。

 つまり冤罪ではない……


「こっちが慰謝料欲しいくらいだし」

「男性差別だ! 酷いーぃ!」

「キモい! 死ね!」

「俺の方がちん○見られたのにぃぃぃ! うああーんん」


 逞しい身体を小さくし、泣きじゃくるオッサン。

 でも腰にタオルを巻き付けただけの半裸だ。

 なんか超ミニスカ状態のタオルの隙間からチラチラと現在進行形で見えてはいけないモノがコンニチワしてる状態。騒ぎの張本人が説得力のないアピールとするとはコレ如何に?


 そんな感じでどうにも収まりが着かない騒ぎに、困惑するクルースタッフの面々。彼らには何の法的権限がないのだ。どっちかを裁くこともできないし、どっちかを出禁にして海に放り出す訳にもいかないのだ。


 男女の立場が微妙に逆転してるこの世界。あなたはどっちを味方する?


「何やってんだリリィーン」

「セイヤにチィー様。実は……」


 その場にセイヤとチィルール参上。そして事情を聞いた。


「なるほど」

「このオッサン、お頭オカシイ。私の方が被害者だ」

「ゴメンナサイ」

「ん? なぜお前が謝る?」

「『ゴメンナサイ』は!?」

「は?」

「オメーが! ゴメンナサイ、するんだー!!」

「はああああ!?」


 セイヤがリリィーンの頭を鷲掴みし、無理やりに下げさせた。


「ちゃんと謝罪しろ!」

「いやあ!」

「いや、じゃねー!!」

「なんでー?」

「覗いたのはお前で、しかも事実だろが!」

「それは!」


 暴れるリリィーンを押さえ込むセイヤ。悪い子には容赦しない主義。


「覗きは悪いことだ」

「……」

「たまたま、タマタマが見えたとしてもだ」

「……」

「どーせコレ幸いと観察したんだろ? お前、ちん○大好きだし」

「……」

「……エエ!?」

「ハッ!? 違う!!」

「反応遅-よっ! こっちが困るだろが」

「違うー!」

「ならちゃんと謝れ!」

「いやああ」

「悪い子はお尻ペンペンだー!!」

「うぁああああん」


 暴れるリリィーンのキックがセイヤの頬に、セイヤの手がリリィーンのタイトミニスカートの裾をまくる。

 泣きべそリリィーンとセイヤの乱闘騒ぎ。

 

「コラ! お前ら、やめんか!!」


 チィルールの制止も叶わない。


『どんちゃかぱふぱふどんがらがあああん』


 事態はもはや次ステージ。 

 この騒動を治めるのは、もはや……


「ヤメテーッ! 俺の為に争わないで。もうこれ以上――」

 

 ハラリと落ちたオッサンのタオル。

 

「イヤーッ! 見ないデー!!」


 悲鳴を上げながら暴走するオッサン。

 ステージは次なる高みへと……


「オッサン! 暴れる前に、マエ隠せ――ウッ!」


 オッサンに一撃喰らって倒れるセイヤ。


「ぎゃはは! セイヤざまあ――ウッ!」

「お、お主、パンツを履かんか――ウッ!」


「に、逃げろ――ウッ!」


 無敵のフルチン(フレキシブル・チン○)オッサン。

 自分が隠れる前に、その場のモノ全員を撃沈しました。

 もう彼のちん○を見る者は誰もいなくなったのです。

 股間のソレも安心したかのように堂々とオハヨーゴザイマスしていました。



逆噴射する露出狂

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