表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
188/303

リリィーンを差し置いてセイヤの妄想

リリィーンの身の上を聞いたセイヤでしたが


「あれ? もしかしてリリィーンがオレ達に同行してるってのって、まさか――」

「ソレは、あり得るかもね。チィルール姫を護衛した実績でオクエン王に謁見。その際に謝罪と名誉の復権を陳情するとか、かな」

「な、生意気な。何の役にもたってないクセに」

「まあ現実はそんな簡単な話しではないさ。でもあの子を君らに同行させたマフィアはそんな姦計をめぐらせたかもしれないね。ちゃんと彼女の素性を知ってたみたいだし」

「言われてみれば確かに。だってリリィーンにそんな要領なんて分かるはずない」


 実際にセイヤは、彼女が自分達に同行するためにマフィアを解雇された際「およよーんっ」て泣きまくっていた姿を知っている。

 マフィアのいち構成員でいたがった本人には、そんな大それたことをする考えはないのだろう。


(つくづく不運ってか無能なヤツ)


 目の前にぶら下がる一大チャンスを見抜けないリリィーンを哀れむセイヤ。

 なぜなら、セイヤ自身が迷子のチィルールをお家(王宮)に無事に帰してあげた恩を理由に王様からソレ相応の報奨を期待しているからである。


(チィルールとはいえ、一国のお姫様だろ? それを追っ手から逃がし無事に王宮に連れ戻したんだ。オレって姫を守りぬいた勇者みたいな資格充分じゃね。それなりの報奨は出るに決まっている。そしてそれをどう運用するかだな)


 この地においての生活設計だ。

 戻れる確証のない今、いつまでも現世感覚ではいられない。

 それに賢いセイヤは、異世界転移された自分の立場に酔って、正義の為にとか世界の平和の為にとかで、仕方なく『ハーレム』を作る気などさらさらなかった。


(どこか無人島を貰えないかなぁ。そこに質素なログハウスを建てて暮らすんだ。上下水道は完備でエアコンもなんとか。そしてキラリを連れ戻すんだ。いい人がいるとか言ってたけど、それってオレのこと忘れてたからだろ? だから、いいんだ。一緒に静かに暮らすんだ。この世界の事情なんて知ったことか。)


 セイヤはこの異世界で、やれやれー、世話になったお前らのために一肌脱いでやるか。――あ、しまった、チョイやりすぎちまった。大陸が海になっちまった、メンゴメンゴ。なんてコトをする気は一切なかった。

 そんな能力も持ってなかたし!


(あー、でも。なんかチィルールが着いてきそー)


 幸せなビジョンを妄想するセイヤを邪魔する存在のチィルール。


(まーアイツは、うん。ダンボール箱用意しとけば中に入って大人しくしてるかな)


 そんなモンだったチィルール!?……

 


この物語のヒロインは

チィルールといいます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ