安らぎのリリィーン
散々な目に合ったリリィーンがようやく報われます。
コトが終わった後のリリィーンの病室。
「失礼しまーす」
こそこそと静かに入室するセイヤ達。
ギグくんによると、リリィーンはもう大丈夫との事。
それを確認するために来たのだが、男女のコトが終わった後の部屋なんて、なんだかうしろ暗い感じもあって慎重に入ってきたのだった。
「な!?」
「おお!!」
「へえー」
「なにぃ、これはなんという事か」
ベットで眠るリリィーンを見た四人のリアクション。
「リリィーンさんはもう大丈夫だと思います。たぶん……」
ギグくんのちょっと頼りない返答。
「いやこれなら大丈夫だろ。間違いない」セイヤ。
「であるな」チィルール。
「そ、そうなのかな」トロイ。
「……」ギイさん。
みんなの反応。
そして当のリリィーンの様子。
……
なんというか、ニヤケていた。
でもそのニヤケ具合というのが、七福神の恵比寿様も敗北を感じて真顔で息をのむレベルのニンマリ具合だった。もはや別人というか顔の輪郭まで変わっているというか。普段リリィーンと付き合いのない人だと、これはちょっと異常かなと感じるレベルだ。
「よかったなリリィーン(ギグくんあの短時間でどんなスーパーテク使ったんだ? あとで教えてくれるかな)」
「なによりだ(先ほどから話についていけん。もう気付かれないよう、分かってる風にしておこう)」
「そうだね(あー、本当にいいのかなコレ)」
「……」
セイヤ達にとっては毎度の調子なのであったが、さすがにギイさんは怪訝な様子で眉をひそめているのだった。
「ギグ、ちょっと、こっちへ――」
「はい?」
「なにやったの、お前?」
「べつに、なにも……」
「なにもせずに人がああなるものか?」
確かにである。普通はそう思う。
「ギグくん。怒らないから、お兄さん達に教えてごらん」
「申してみよ」
「興味あるね」
「ひぃ?」
いつの間にかセイヤ達も加わり、ギグくんを囲っている。
「なにをした?」
「べ、べつに、なにも……」
「ハァ、アアァ――」
白状しないギグくんに、ため息ムード。
「ね? 少し大人の話をしよう。いいかい? 君はもう自分のことだけ考えているだけじゃだめなんだよ。絆をもった相手のことも考えていかないとね」
「そうだぞギグ。もしこの先彼女を家族に迎え入れるようなことになったらなあ」
「そ、そんなこと、ありえません。絶対にイヤです」
「ええ!? 君? 男としての責任をどう考えてるんだい?」とトロイ。
さすがに物申したくなった。
「うむ。まったくみなの言うとおり」
よく分かっていないチィルールも、ここぞとばかりに同意した。
「ち、ちがう……」
完全な吊るし上げ状態。しかもコトは男の責任についてである。他人事でも笑えないし中学生くらいのギグくんにはいたたまれないところでもある。
「だからみんなが考えてるようなことはしていなーい!」
「じゃあ、ナニをしたのかな?」
「そ、それは……」
「それは?」
強がってもこのメンツには勝てない。
本人にも分かっている。
どうやら観念した模様?
静かに語りだすギグくん……
「あの日の夜……」
「うんうん」
「酩酊したリリィーンが僕の部屋にやってきて」
「うんうん」
「嫌がる僕のズボンを無理やりずり下ろし」
「うん?」
「僕のおチンチンを握ったり引っ張ったりモミモミしたり、おもちゃにして――」
「うーん?」
「散々愉快そうに楽しんだあげく、そのまま酔いつぶれて寝てました」
「うっーんん……」
「……」
衝撃的な話にシーンと静まりかえる。
「じゃあ、さっきは?」
「ちょっと(ちん○)触らせてあげただけです!」
「お、おう。そっか……(リ、リリィーン、お前ってヤツは……)」
セイヤの視線先、ニンマリと満面ニヤケ顔で眠るリリィーン。
(どんだけ、ちん○が好きなんだよ、テメーはよおっ!!)
他のみんなも、すごく困った顔をしてました。
リッ! リリィーン!!
なにやってんだオメー……
今日も元気にフザケンナー!




