セイヤ入院
さっそく発見され、病院に収容されたセイヤとリリィーン。
前日に漂着騒ぎがあったおかげで、海岸線は見まわりが巡回していたそうだ。
「みんな、無事なのか。よかった」
セイヤとリリィーン以外の者は前日に海岸に漂着し先に収容されていた。
いやリリィーンは船と一緒に昨日打ち上げられていたのだが、誰からも海草の巻きついたイカリだと思われ無視されていたようだ。
(なんのことはない。最後まで行方不明で心配を掛けていたのはこっちのほうだったてことか)
みんなの無事が分かったセイヤは安心したのか、担架の上でそのまま気を失ったのだった。
そして翌日。
(こっちの世界にも点滴ってあるんだ)
ベット上のセイヤ。点滴中。
そばにはチィルールとトロイがいる。
事情の説明はすでに終わっていた。
ギイさんには何度も謝罪されたが、息子のギコくんが意識を取り戻していない事情を知ってはなにも文句は言えなかった。ギグくんのほうは無事で、意識のない弟に付き添っているらしい。
「セイヤ、すまん。私が手を離したばかりに。命綱も切れてしまって」
「いや、転覆した船にくくり付けられてるほうがよっぽど危なかったさ」
(リリィーン「……」)
「殿下達は気付いてなかったみたいだけど、転覆したあの時、神の剣が少し光ってリードを切断してたんだよ。フフ」
「この神の剣が? ほほう」
「その剣てさ。普段全然役に立たないのに、ヤバイ時だけ反応しない? カッコつけ過ぎだろ」
「それ伝説級の最高アイテムだからもう少し大事にしてあげてくれないかい」
神の剣を指でピンッと弾くセイヤに、コメカミあたりに冷や汗をたらしながらトロイの苦言。
次回が長くなりそうなので短く分割しました




